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河川愛護の絵手紙で最優秀賞に輝いた 岩手・大船渡高校1年 熊谷寧音(ねね)さん(15)

国土交通大臣賞を受賞した絵手紙を収めた楯を手にする熊谷寧音さん(石田征広撮影)
国土交通大臣賞を受賞した絵手紙を収めた楯を手にする熊谷寧音さん(石田征広撮影)

 国土交通省が一般公募した令和元年度の河川愛護月間の「絵手紙」で、1049点の応募作品の頂点に立つ国土交通大臣賞に輝いた。東北から同賞に選ばれたのは初めて。

 受賞作はランニングに半ズボン姿の少年2人が木漏れ日が射す川の浅瀬で水かけっこに興じる様を描いた水彩画。正岡子規の俳句から引用したという「何処へなりと遊べ、夏川、夏の川」の言葉を添えた。

 「見た人がかつて川と親しんだ懐かしい思い出に寄り添えるように、においや音、光を画面に表現しようと思いました」。作者の制作意図が凝縮された受賞作は郷愁を誘う絶妙の色づかいが大多数の審査員から高い評価を受けた。

 今回の受賞作のほかにも漁港に水揚げされた養殖のカキを処理する作業風景を描いた作品で、平成30年度の第41回全国海の子絵画展で最高賞の文部科学大臣賞、令和元年度の第42回も教育美術振興会理事長賞を受賞している。

 そんな優れた色彩感覚の持ち主は平成23年の東日本大震災の経験者でもある。新入学直前の6歳だった。死者、行方不明者が1700人を超える岩手県内最大の被災地となった陸前高田市の自宅は津波で流され、2年間にわたってプレハブの仮設暮らしも経験した。

 「車で避難するとき、窓越しに津波が迫ってくるのが見えました。津波を目にするのは初めて、未知との遭遇が一番の恐怖でした。震災直後は先が見えず、不自由な生活でした。でも、全国の方々からたくさんの支援をしてもらい、本当に支えられました」と、当時を振り返る。

 一方で、幼少から書道やピアノなどの習い事に勤しんできた。陸前高田市立高田東中で所属したバレーボール部の東北大会8強に貢献、文化祭の合唱コンクールでは美声を買われソロパートも任されるなど、多芸多才ぶりも発揮してきた。

 「生涯打ち込むものを何にしようか」。これが目下の悩みという。バレーは中学で卒業したが、書道は10段の腕前。「基本的に授業でしか描かない」という絵画も今のところ本命ではない。進学先の県立大船渡高校で部活は書道部、選択科目は音楽を選んだ。

 「高校生活で審美眼を磨きたい。ホームステイも経験したい。キラキラした魅力を感じるところに」と悩める15歳。将来どんな才能を花開かせるのか、注目の逸材だ。(石田征広)

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