ガーゼでも布でもなんでもマスクにするゴムひもが人気 内職さんの何気ないアイデアが商品化に

見え方にもこだわり
商品開発の期間はわずかだとはいえ、決して手抜きをしたわけではない。数百種類のゴムひもを代わる代わる試してみた。フィット感が保たれ、伸縮性や耐久性もある、風合いもなじみやすいゴムひもは-。これぞというゴムひもは、今まで商品に使ったことのないものだった。
土屋社長は「厚み、織り方、質感のすべてにこだわりました。ゴムひもを耳にかけたとき、付け根に食い込んで痛くなるようなものは論外」と話す。ゴムひもの形状は平らで、ポリエステルとポリウレタンが配合された材質という。
ゴムひもの色はホワイト、グレー、ライトピンク、ライトブルーの4種類。「耳にかけたときの、『ちょっとの見え方』にこだわりました。色展開も大切なんです」と土屋社長は言う。
ゴムひもは色ごとに長さ15センチと18センチを用意し、丸みを帯びたオール樹脂製のクリップの穴に両端を通してミシンで縫い付けてある。
困っている人に
2日に予約注文を始めたところ、5~10分で約850個がすべてさばけた。その後も「次はいつ発売するのか」などの問い合わせが来たという。

土屋社長は「商品が受け入れられるか心配だったので、うれしかった」と素直に喜ぶ。40代の内職さんも「こういう時期なので、少しでも仕事が増えればと思っていました。でも、まさかこんなことになるなんて」と、驚きのうちにも売り上げに貢献できたと胸をなでおろしている。
すでに、長野県内の病院から大量注文が入っており、今後もマスクが必要で困っている方々の手伝いをしたいと考えている。色展開を充実させることも一案だ。困っているのは、クリップの入荷が間に合わないことだそうだ。
27日に再び注文を受け付け、5月以降は決まり次第、同社ホームページで案内する。価格は同じ長さのゴムひも2本1組で880円。注文は、同社が出店した楽天市場でできる。