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起業まもなく新型コロナ禍 ベンチャーの抱える苦悩

インド刺繍をあしらった帯や足袋を販売する「ひとつ麦」の吉原幸子代表=広島市中区
インド刺繍をあしらった帯や足袋を販売する「ひとつ麦」の吉原幸子代表=広島市中区
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 新型コロナウイルスの感染拡大で多くの企業が苦境に立たされているが、中小はさらに状況が深刻だ。とりわけ起業したばかりの新興企業にとっては、事業を軌道に乗せる矢先の苦難。今年1月に創業した和装ブランドのベンチャー企業「ひとつ麦」(広島市)もその一つで、華々しい“全国デビュー”が頓挫し、対面販売も休止を余儀なくされるなど、厳しい船出となった。

1月下旬に開業したが…

 「これまでに開催できたのは、3月下旬に行った単独展示会だけ。対面販売ができず、商品のPRもしようがない」。同社代表の吉原幸子さん(48)はため息をつく。

 ひとつ麦は、インド・カシミール地方の刺繍(ししゅう)や民族衣装・サリーの生地などを使って、帯や足袋を製作・販売する会社として1月22日に開業した。平成30年に刺繍を見た吉原さんが「帯として身につけたい」とひらめいたことが起業のきっかけだった。

 刺繍の入手経路や加工業者の選定などに奔走して事業計画を策定。昨年末に広島市創業チャレンジ・ベンチャー支援事業にも認定された。開業後すぐの今年1月24日には同市文化交流会館でお披露目会を開催し、関係者ら約50人が集まった。

 地元メディアでも紹介されて話題を呼び、今年2月から本格的な販促活動に乗り出そうとしていた矢先、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し始めてきた。3月29日、感染対策を施したうえで市内で単独展示会を開くと、高級な帯や足袋を購入する人もいて「需要のあることは分かりました」(吉原さん)と手応えを感じたが、その後は思い描いたような事業展開はできなくなった。

支援受けられるか不安も

 5月1~5日、東京で開催予定だった「東京キモノショー」に出品することになっていたが延期になった。世界的な感染拡大の影響で、肝心の刺繍素材も入手できない事態に陥った。

 「インドからの国際郵便が規制されてしまいました。海外の刺繍生地に特化して和装品を製作することが厳しくなりました」

 手元に残ったのは、長さ5メートルの刺繍生地約20枚と端切れのみ。現在は生産を止めているのでこれらを使用していないが、使ってしまえばそれで終わりになってしまう。

 「起業のために200万円を投じましたが、回収のめどはまったく立ちません。唯一の救いは家族経営で自宅を事務所にしていることぐらいです」

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