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屋外放射線源を見つけ出す秘密兵器開発 360度検知の次世代モニタリングカー

360度の放射線画像と駐車車両のパノラマ画像を重ね放射線源を可視化した画像。右の赤い部分が放射線源(日本原子力研究開発機構提供)
360度の放射線画像と駐車車両のパノラマ画像を重ね放射線源を可視化した画像。右の赤い部分が放射線源(日本原子力研究開発機構提供)
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 屋外に潜む放射性物質をパノラマ画像と重ねて可視化できる特殊なカメラを搭載した車両を、日本原子力研究開発機構の福島研究開発部門廃炉国際共同研究センター(=CLADS、福島県富岡町)が開発した。東京電力福島第1原発などで放射線物質を検知する実証実験を重ね、1~2年後の実用化を目指したい考えだ。

 原発事故で飛散した放射性物質がどこに、どのような状態で分布しているのか把握する作業は、除染作業員の被ばく低減や、除染計画を立てる際の情報として欠かせない。現在、福島県の帰還困難区域などで放射線源を探る作業は、放射線測定器を持った作業員が広大なエリアを歩き回りながら測定している。しかし、この方法では時間がかかるうえ、作業員の被ばく線量の増加が懸念されていた。

 また、放射線モニターを搭載したモニタリングカーもあるが、空間線量率の変動は分かるものの、放射線源の位置の特定や、どのように分布しているかなどの把握は困難だった。

 新開発の次世代モニタリングカーは、あらゆる方向にある放射線源を見つけることができるといい、「統合型放射線イメージングシステム車(integrated Radiation Imaging System-Vehicle=iRIS-V)」と呼ばれる。ワンボックスカーの荷室部分に、放射性物質が発するガンマ線を可視化する装置「コンプトンカメラ」を、正五角形を組み合わせた正12面体の上部6面に24台ずつ、計144台搭載している。

 コンプトンカメラは装置の前方しか測定できないが、全方向をカバーするように多数取り付けることで、360度、あらゆる方向の放射性物質を可視化した。全周囲を撮影したパノラマ画像と重ね合わせると、放射線源の存在が一目瞭然になる。

 iRIS-Vに積んだコンプトンカメラは放射線に対する感度も向上。従来のカメラでは前方の測定だけで約10分かかったものが、全周囲の測定を約80秒でできるようになった。

 iRIS-Vを取り囲むように配置した複数の車から、放射線源を積んだ1台を探すテストを行ったところ、該当する車両の特定に成功した。

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