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【一聞百見】「駐車場シェア」 道切り開く akippa社長・金谷元気さん

駐車場シェアリングサービスを展開する「akippa」の社長の金谷元気さん=大阪市浪速区(南雲都撮影)
駐車場シェアリングサービスを展開する「akippa」の社長の金谷元気さん=大阪市浪速区(南雲都撮影)
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 外出前に駐車場を確保しておきたい人と、空き駐車場を遊ばせたくない人をつなぐサービスを展開するakippa(アキッパ、大阪市浪速区)。利用者登録は約180万人、登録駐車場は約3万4千拠点と、駐車場のシェアリング(共有)サービスで最大手だ。急成長を遂げたが、起業した社長の金谷元気さん(35)の歩んだ道は、かなりのでこぼこ道だった。

(聞き手 粂博之 編集委員)

■あきらめない人が生き残る

 サービスのアイデアは、大きな模造紙から生まれた。「世の中の困りごと解決」をテーマに社員約30人が気付いたことを書き込んでいき、目標の200件が集まった平成25年夏に整理。女性社員の書き込んだ「車で出かけても現地で駐車場が満車だと困る」が金谷さんの目に留まった。調べてみると、1秒あたりの路上駐車は東京で約6万3千台、大阪で約3万1千台とされ、およそ半分は駐車場が見つからなかったためだという。一方で頭に浮かんだのが、空きスペースを抱えたままの月決め駐車場、ホテルや店舗、住宅の駐車場など。「つなげれば、いける」と直感した。

 当時の主力である携帯電話契約の法人営業を続けながら、社員の1人に空き駐車場探しを指示。すると、予想以上にスムーズに確保できた。一方で「スマートフォンでの予約、料金支払いができるようにすれば投資額は少なくて済む」と考え、起業家やその予備軍が集まる大阪・本町のコワーキングスペース(共同で利用する作業場)に赴き、手伝ってくれるエンジニアやデザイナーを探しだした。

スマートフォンなどで駐車場を探し予約ができる「akippa」の画面
スマートフォンなどで駐車場を探し予約ができる「akippa」の画面
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 そうして準備を整え、26年4月、利用者の会員登録3千人、駐車場は700拠点でスタート。料金は周辺のコインパーキングと比べて2割ほど安く設定した。だが、スタート1カ月目の売り上げはわずか2万円。便利さをアピールするには駐車場の数がまだまだ足りなかったのだ。そこで、大阪のJR環状線内で集中的に展開。その後、地域を拡大しながら26年末に1500拠点で会員1万人、27年末に4200拠点で会員4万人と加速度的に拡大していった。

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 モノの所有を減らして互いに貸し借りするシェアリングエコノミーの成功例とされるアキッパ。金谷さんは「ビジネスモデルが良かったのだと思います」と話す一方で、こうも言う。「ベンチャーは結局、あきらめない人が生き残っている。うまくいくまでやめない、という推進力があればよいのです」。ここまで来るには挫折も味わった。

■2本の傘売り「商売って面白い」

 「世界一のサッカー選手を目標にしていました」と話す金谷さん。しかし21歳のときに目標を起業に切り替えた。「後悔はまったくなかった」ものの、その後の事業は決して順風満帆ではなかった。高校時代に大阪選抜のメンバーとなり、試合に出ると自分のプレーをビデオにまとめてJリーグのチームに送り続けた。やがてサガン鳥栖(佐賀県)の目に留まり、練習生に。元アルゼンチン代表のビスコンティ選手らとともに汗を流した。その後、関西サッカーリーグでもプレーする。高校卒業後はアルバイトをしながらサッカーを続けた。夢に燃えていたが「マニュアルに従うのが苦手であまり仕事を任されず、困窮していました」。

(次ページは)困りごと解決し世界一目指す…

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