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【経済インサイド】「リーマン級」の新型コロナ 金価格、最高値更新の思惑浮上

 「低リスク通貨」とされる円買いも根強いが、米国でも新型コロナ問題が深刻化したことで、投資マネーがリスクを避けるために株式市場からドル建て債券市場に移り、円相場は意外にも安定的に推移しているというわけだ。

米の金融緩和策がカギ

 金の換金売りはいつまで続くのか。市場では「一時的な現象」との見方が大半だ。市場の動揺に対応して主要中央銀行が資金供給で協調しているため、株式市場が落ち着いてくれば、金価格は反転上昇に向かう可能性がある。

 ポイントとなるのが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策だ。金価格は米国金利と逆相関の関係にあり、米国が金融緩和策を実施して金利を低下すれば、金価格は上がる傾向にある。

 エコノミストの豊島逸夫氏は「FRBがゼロ金利を復活し米国金利が極端に下がったことで、金利を生まないという金の最大のデメリットは相殺された。FRBは量的緩和も再開したため、これから過剰なマネーが金に流入してくるだろう」と予想する。

 世界最大の米ヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるカリスマ投資家、レイ・ダリオ氏も金に注目する。多くのヘッジファンドが追随し、金を裏付けとした上場投資信託(ETF)に大量の資金を突っ込んでいる。

 金の調査機関ワールド・ゴールド・カウンシルによると、金ETFの残高は2月に3000トンを超え、過去最高を記録した。昨年の鉱山生産量3464トンに迫る勢いだ。

 中国やロシアといった新興国が外貨準備の一環で「無国籍通貨」である金を買い増していることも、相場を押し上げている。外準に積みあがる金はめったに売却されないため、金はますます値崩れしにくくなる。

リーマン後に最高値

 「新型コロナという正体不明のリスクへの備えは金以外に考えられない」。豊島氏は金相場に対して強気だ。実際、今回の相場急落局面で積極的に金を買う投資家もいたという。

 株と金が同時に急落する現象は、リーマン・ショックの際にもみられた。金相場はその後、緩和マネーを吸収して、欧州債務危機のさなかの11年9月に史上最高値の1923ドルまで駆け上がった。投資家の「有事に備えなくては」という意識が高まったことも影響したとされる。

 新型コロナショックという「リーマン級」のショックに再び直面した金市場。市場関係者からは、「最高値更新」を予想する声も挙がっており、目が離せない状況が続きそうだ。(経済本部 米沢文)

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