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【深層リポート】人の流れ激変 「柱」探る県都 山形唯一の百貨店「大沼」自己破産から間もなく2カ月

昭和30年代の七日町大通り。百貨店「大沼」が左側に見える(山形市提供)
昭和30年代の七日町大通り。百貨店「大沼」が左側に見える(山形市提供)
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 だが、平成に入ると郊外に大型商業施設が相次ぎ出店、交通インフラが整備されたことで買い物客が仙台市へ流出するなど人の流れが激変し、経営が悪化。

 七日町でスーパーを経営する多田儀彦さん(49)は「10年ほど前から街に買い物客が来なくなった。魅力ある店舗もなく駐車場代もかかり、これでは人は来ない」とみていた。

 平成30年4月に東京の投資ファンドが再建に着手したが経営は混乱。最後の大沼社長だった長沢光洋氏は自己破産申請後の会見で「昨年10月以降、台風、消費税増税で売り上げが3割から4割落ち、一体何が起きているか分からないくらい…」と嘆いた。

街に必要なもの

 人口25万人の山形市は昨年2月、山形駅から十日町、七日町までの127ヘクタールの中心市街地の活性化に向けグランドデザインを作成した。同年11月に実施した市民アンケートで中心市街地に欲しい店舗の1位は百貨店だった。だが現実は高層マンションの建設が相次いでいる。

 同市の佐藤孝弘市長は「アンケートは大沼がなくなる前のものだが、それでも市民は商業施設を望んでいると思う」と市民の声を代弁する。

 同町で呉服店を営む結城康三(やすぞう)さん(63)は、大沼の消滅を「中心的存在を失ったような感じだ」という。結城さんは、同町内で長年、暗渠(あんきょ)としてふさがれていた山形五堰の一つ「御殿堰(ごてんぜき)」を平成22年に市とともに再建。「旧来の商店街の発想を転換し、その場所に根付く歴史や文化を生かしたものにする。それが中心市街地の活性化につながると思うのだが」と話す。

 支柱的存在を失った街に答えはまだ見つかっていない。

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