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【経済インサイド】日本政府、難航するRCEP交渉でインド取り込む“プランB”を模索

 これに対し、日本政府が描くメインシナリオである“プランA”は、あくまでもインドを含めた16カ国による完全な合意だ。インドの参加により、軍事的にも経済的にも存在感を増し、覇権的な動きを強める中国を牽(けん)制(せい)する狙いからだ。

 本を正せば、RCEPの源流は日中韓3カ国とASEAN10カ国の計13カ国による経済連携構想にたどり着く。そこにインドとオーストラリア、ニュージーランドの3カ国を含めた枠組みを提案したのは日本だ。

 安倍首相は1月20日の施政方針演説で、「基本的価値を共有する国々とともに、『自由で開かれたインド太平洋』の実現を目指す」と強調した。

 しかし、インドのRCEP交渉からの離脱懸念は、現実問題として残っている。実際、インドは理由を明らかにしていないが、今年2月初旬にインドネシア・バリ島で開かれたRCEPの首席交渉官会合に参加しなかった。

 米国との貿易摩擦激化に苦しむ中国は、米国以外の国との関係強化を急ぎ、RCEP交渉にも前のめりだ。中国はこれまでの交渉の中で、インドを除外した枠組みを他の参加国に打診したことさえあった。

 交渉筋によると、中国以外の一部の参加国も、かたくなな姿勢を崩さないインドへの不満がくすぶっているという。

 日本政府もインドの反対で今年も妥結できなければ、RCEP交渉そのものが漂流しかねないとの危機感を抱き始めている。

 このため、日本政府は次善策として“プランB”を「頭の体操として練り始めている」(経済官庁幹部)というのだ。

 日本政府関係者によると、プランBの具体的な内容としては、「中国とインドの間で関税協定を設けない」、「15カ国によるRCEPの枠外でインドと日本・オーストラリアなどが貿易協定を結び、その上で将来的なインドのRCEP合流を目指す」案などが浮上しているという。

 いずれも対中国赤字に悩むインドに配慮した案だ。しかし、インドの関与が少なくなれば、人口で世界の約半分、貿易額と国内総生産(GDP)の約3割を占めるRECPの意義もそれだけ薄まる。このため、日本政府がプランAであるインドを含めた完全合意を目指す考えに変わりはない。

 RCEP交渉の次の大きな節目は、今年11月に予定する首脳会議だ。米国を除く11カ国による環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)をまとめ上げた日本の役割が、交渉の中で重要性を増している。(経済本部 大柳聡庸)

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