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【近ごろ都に流行るもの】「男性用ウィッグ」隠さず堂々 気分上げる「異日常」のスイッチ 

 人工毛開発から製造・販売まで手がけるものづくり重視の会社で、非常に高品質。しかし、男性使用者の大半が秘密にしているため「いいぞ、これ。触ってみろよ」などととおおすすめされることもなく、重要なマーケティングツールとなる口コミ効果も起こらない。「これはもったいない」。薄毛隠しではなく、以前から経営学者として着目していた「異日常」消費を、ウイッグと結び付けた。

 現在の日本は、消費・経済の縮小が前提となる人口減少社会。だが、ウイッグを着用することにより異日常の「分身」をつくれば、人口が増えるのと同じような需要創出が見込めるはず-という考察だ。

 異日常の代表格といえば、別荘。家具代やそこまで行き来する交通費など、別荘を持つことで消費が連鎖する。これがウイッグの場合だと、「ロックな自分」を演出するため革ジャン、ブーツ…と消費が広がることを楠木教授は自ら実証している。その姿は友人にも影響を与え、ストリートダンスが趣味の銀行役員は、念願のドレッドヘアをウイッグで手に入れようとしている。

 アデランスによると、頭の型を取ってぴったりに成形する男性用オーダーメードウイッグは、大きさや要望により価格幅が広く、1枚16万~70万円台程度。20年前に始めた定額制のサブスクリプションは入会金なしで月額1万5200円から。高額だが、この10年で売り上げは1・4倍に伸びた。昨秋は、パリコレ参加のファッションブランド「リンシュウ」とコラボした男性用ウイッグも限定販売している。

 「バンド、イベント、旅行、同窓会など、特別な場面でウイッグを使いたいという男性客は少ないながらも増えつつある」と、営業企画部の市毛義亜樹さん(57)は変化を指摘する。同社が昨年、20~69歳の男性1万人に行った意識調査では、変身によって気分を上げる「メタモルフォーゼ」に75・9%が「興味あり」と回答。潜在需要を期待させている。

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