PR

ニュース プレミアム

【一聞百見】ちゃっちゃとしなはれ! 朝ドラ「大久保さん」でロス現象 女優 三林京子さん

 そこで米朝さんに「落語をやりたいんです」と直談判。新人が最初に修業する「叩(たた)き(見台を叩きながら大声でけいこする)」から始めた。「米朝師匠は私に音(ね)を上げさせようとしたんでしょう。でも、こっちも必死で食らいついて長い噺を覚えました」。「桂すずめ」という芸名をもらう前、落語会でアンケートを取ったことも。「『もちはだ』とか、『もちつき』とかありましたわ」と明るく笑う。

 「もちろん私のは二足のわらじです。米朝師匠が女性の弟子は取らないとおっしゃっていたのに、許してくれたのは、『本業の足しになるやろ』ということだったんです。その通りで、落語の勉強をさせてもらったことは、女優や演出をするとき、ものすごく役に立ちました。頭のなかに舞台を作れるようになったんです。そこで登場人物を自由に動かすことができる。落語はひとりですべての人物を演じるからでしょうね」

弟の文楽人形遣い、桐竹勘十郎さんと一緒に(本人提供)
弟の文楽人形遣い、桐竹勘十郎さんと一緒に(本人提供)
その他の写真を見る(4/4枚)

 米朝さんには、「高倉狐」「桃太郎」「七度狐」と小咄(こばなし)をいくつか稽古してもらった。「私が語り始めると苦虫をかみつぶしたような顔になってはりました。ただ女優ですので、『声は割と出る』と言うてくれはりました」。現在、三林さんは大阪・道頓堀の松竹座で上演中の芝居「喜劇?なにわ夫婦八景(めおとばっけい)?米朝・絹子とおもろい弟子たち」に絹子夫人の母親、末子役で出演している。米朝一門とはそれほど深い縁があるのだろう。

 今年、69歳になるが、創作意欲はまったく衰えていない。「大学で学生と一緒に舞台を作ったのがおもしろかったんです。これから、シナリオセンターに脚本の勉強に行って、芝居の脚本を書いたり演出したりしてみたいですね」。全身から前向きに生きるエネルギーがあふれている。超高齢社会の日本、こんなふうに生きていけば幸せかもと思わせてくれる人生の達人だ。「これからもできるだけ働いて人の世話をして、人の役に立って生きていきたい」。ほっこりと温かな笑顔を見せた。

                  ◇

【プロフィル】みつばやし・きょうこ 昭和26年7月17日、大阪市生まれ。父は文楽人形遣いの人間国宝だった二代目桐竹勘十郎さん。NHK大阪放送児童劇団、山田五十鈴さんの付き人修業を経て、45年、東京・芸術座「女坂」で初舞台。以降、舞台をはじめ、NHK大河ドラマ「元禄太平記」、NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」など幅広く活躍。平成9年、人間国宝だった桂米朝さんに入門、「桂すずめ」として落語家活動も行っている。大阪芸術大学短期大学部教授なども歴任。弟は文楽人形遣いの桐竹勘十郎さん。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ