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【経済インサイド】米中貿易戦争で影薄まるAIIB 虎視眈々と勢力拡大中

北京の金融街に位置するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部が入るビル(三塚聖平撮影)
北京の金融街に位置するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部が入るビル(三塚聖平撮影)

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)が1月で開業から4年がたち、5年目を迎えた。ただ、開業当初に比べると最近はあまり話題を聞かない。関係者によると、米中貿易摩擦など米中の覇権争いが激しさを増す中、中国側が米国を刺激しないよう配慮していることが背景にあるという。ただ、加盟する国・地域は100を超えるなど、虎視眈々と勢力を拡大している。

 AIIBはアジアの途上国を中心に、インフラ整備の資金を投融資する組織として設立された。実態をみると最大の出資国は中国で、本部は北京、総裁も金立群(きん・りつぐん)元中国財政次官と、中国が主導する形態となっている。

 世界銀行やIMF(国際通貨基金)など米国が中心となって作り上げてきた世界経済の秩序に、世界第2位の経済大国となった中国が「対抗軸としてつくった組織」(政府関係者)というのが実情なのだ。それだけに、米中貿易摩擦が激化する中、中国としては米国を過度に刺激することを避けているのだという。

 一方で、存在感を示したくても示せないという実情もある。最大の要因は人材難だ。日本が主導するアジア開発銀行(ADB)の職員が1200人を超える中、AIIBの職員は186人にとどまる。財務省の担当者は「ADBが30人でやっている仕事を1人でカバーしている印象だ」と語る。

 自分たちでプロジェクトをつくっていく経験も乏しいため、融資も世界銀行やADBのプロジェクトに相乗りする協調融資となっているのだという。AIIBも人材の獲得に力をいれているが、大気汚染や教育環境に関する懸念があることから、家族を持つ人にとっては北京での勤務が障害となって、思うように人材を獲得できていないのだ。

 まだ発展途上のAIIBだが、加盟する国・地域は102と、ADBの68を大きく上回っている。その理由について、AIIBの実情に詳しい関係者は「加盟が政治の交渉カードになっている」と明かす。

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