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かんきつ王国の大暴落を救ったイヨカン、販売ピーク

「愛媛いよかん大使」の4人に囲まれる愛媛県の中村時広知事
「愛媛いよかん大使」の4人に囲まれる愛媛県の中村時広知事
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 香りのよさで人気のイヨカンが本格的な販売シーズンを迎えた。市場に出回る季節が入試時期と重なることから、関係者は「いい予感」との語呂合わせでPRもしており、多くの消費者に親しまれるようになった。このイヨカン、実は歴史をひもとくと、温州ミカンの価格大暴落時にかんきつ王国・愛媛に現れた救世主だったという。

誕生は山口県萩市

 イヨカンのルーツは山口県萩市。地元では「穴門(あなと)みかん」と呼ばれていた。ミカンとオレンジの雑種(タンゴール)とされてきたが、研究が進むと、遺伝的にナツミカンに近いことが判明。ナツミカンの枝変わりか、ナツミカンと他のミカンとの雑種ではないかとの説が有力となっている。

 明治22年に愛媛県に渡り、栽培が始まったものの、実は長い期間、人気はなかった。

 昭和40年ごろまでの作付面積は約700ヘクタールで、主力の温州ミカンと比べ20分の1程度にとどまっていた。当時のイヨカンは酸味が強く、農家にとっては栽培が難しく収量が安定しなかったのが理由。このため、愛媛以外のかんきつの産地でも、次第に作られなくなっていった。

果樹園で偶然見つける

 昭和30~40年代は温州ミカンの全盛期だった。だが43年と47年、生産過剰などによる価格の大暴落が起きた。

 この時期、愛媛のかんきつ農家を救ったのが、とあるイヨカンの品種だった。松山市平田町の宮内義正さんが自園のイヨカンの木で見つけ、昭和41年に種苗登録された「宮内伊予柑(いよかん)」だ。それまでの一般的なイヨカンと比べ、果皮が薄くて剥きやすく、果汁は豊かで酸味が少なかった。

 温泉青果農協(現JAえひめ中央)により宮内伊予柑の産地形成が進められ、生産が一気に加速した。現在のイヨカン栽培の9割以上が宮内伊予柑。JA全農えひめによると、今シーズンのイヨカン生産量は2万3千トンで、温州ミカンを含むかんきつ類全体(約13万8千トン)の約17%を占めるまでになった。

今年の出来も上々

 関係者によると、今シーズンのイヨカンは平年よりやや小ぶりだが、酸味、糖度はともに高く、おいしく仕上がった。いずれも「愛媛いよかん大使」の川内日菜乃さん(21)は「子供から大人まで食べてもらいたい」、岩崎希望さん(20)は「全国の生産量の90%以上が愛媛ということを伝えたい」などと話していた。

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