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【志らくに読ませたい らく兵の浮世日記】芝居を通じて師匠の教えを受ける 

らく兵
らく兵

 このところ、芝居の稽古に参加している。

 『落語家の弟子、前座。~女編~』というタイトルの公演だ。脚本は私の師匠の立川志らく。演出はそのおかみである女優の酒井莉加が務めている。

 タイトルの通り、落語家の師弟関係や弟子たちの切磋琢磨(せっさたくま)する姿を描いた物語だ。私の師匠の脚本だけに、弟子の私としては台本から教えを受ける心持ちで稽古にのぞんでいる。

 ひとくちに師弟と言っても、落語界にはいろんな一門がある。いろんな師匠がいて、いろんな弟子がいる。この芝居は立川志らくの書いたものだ。だから登場人物や物語は当然、志らくの見てきた世界がモデルになっている。立川談志に弟子入りして学んできたこと。自らの修行時代。そして志らくの弟子である私たちの姿。そういうものが物語と重なってくる。

 フィクション作品なので、登場人物として実名で落語家が出てくるわけではない。話の筋も現実に起きたことを取り上げたわけではない。でも、落語家が落語家の青春を描いた作品だけに、半分はドキュメンタリーという感じもする。

 その台本を読んでセリフを覚えて稽古に参加していると、どこまでが事実でどこまでが物語だか、だんだん区別がつかなくなってくる。私自身が志らくの弟子として教えられてきた言葉の一つ一つが、脚本の中にもたくさん入っている。それが違う世界の落語界の物語として進んでいく。作り話なんだけど、そのセリフのあちらこちらにうなずき、ううむ、と唸(うな)りながら稽古に参加している。

 架空と事実の間で、頭の中がひっくり返りそうになるのは、当たり前かもしれない。

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