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復活した幻のそば 香りよし味よし 長野・伊那市の「入野谷在来」

「失敗できない」

 復活の現実味が帯びてきたのは26年、長野県塩尻市の県野菜花き試験場に、「高遠入野谷『浦』」と書かれたそばの種が見つかってからだ。旧長谷村の浦地区で収穫された種だと推察され、封筒に入った種は約20グラムしかなかった。

 試験場の協力を得て、増殖を試みた結果、発芽したのはたったの6粒。だが、かけがえのない種だった。その後、試験場では増やした種を保管。振興会が28年、栽培のための畑(約200平方メートル)を現在の伊那市長谷浦に確保した際に、約300グラムを提供した。

 栽培前には、振興会のメンバーや信州大学の教授らで打ち合わせを行った。「貴重な種なので失敗できない」と意気込みをみせた振興会側に、同大農学部の井上直人教授(当時)は、畑の選定条件として、土に窒素分があることや獣害対策の大切さなどを説いた。

 28年7月、約300グラムのうち約100グラムを畑にまき、9月に約20キロの種を収穫した。種まきから収穫時期にかけて、鳥やサルを近づけないよう対策をとったり、草丈の倒伏を防ぐ対策をとったり、手間のかかる作業にも時間を割いた。

評判が評判呼ぶ

 その後、市内の畑を計3カ所(約8000平方メートル)に拡大し、収穫量も年ごとに伸びている。昨秋の収穫量は約500キロに達し、市内のそば店6店舗がお客さんに供し始めている。

 井上教授が昨年3月に取りまとめた報告書によると、入野谷在来の成分は、他のそばと比べ、香りや味が優れているという。香りは脂質含有量に左右され、味はタンパク質の含有量が決め手になるといい、いずれも高い傾向が示された。

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