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【正論3月号】ゴーン被告逃亡 人質司法批判に怯えた裁判所の醜態 産経新聞司法クラブキャップ・河合龍一

■裁判所の異変“保釈ラッシュ”

 こうした中、裁判所に「異変」が起きる。まずは同月20日、東京地裁がゴーン被告の勾留延長を1日も認めなかったこと。刑事訴訟法は勾留期間を最長10日間と定めており、「やむを得ない理由」がある場合に限り、さらに最長10日間の延長を認めている。事件が複雑で証拠が膨大な特捜部の事件の大半は最長10日間の延長が認められてきた。司法統計をみても29年に検察が全国の裁判所に勾留延長請求して却下されたのはわず0・3%。「異例中の異例」(検察幹部)であり、特捜部は準抗告したが、地裁は棄却。事実上、ゴーン被告の早期の保釈を促す“メッセージ”だった。

 実は検察内には、地裁が国内外の世論や年末年始を意識して勾留延長を12月30日までの「満額の10日間」は認めないのではないかという観測が広がっていた。複数の法曹関係者から「裁判所は世論やメディアを最も気にする組織」と聞いたときは、にわかに信じられなかったが、検察側の懸念は予想を上回る形で現実化したのだ。

 事件の本丸を当初から中東各国関係先への巨額に上る日産資金の不正支出と位置付け、年末に3度目の逮捕を想定していた特捜部は、保釈されればゴーン被告に事件関係者への口裏合わせなどの証拠隠滅を図られ、事件が潰れてしまうと判断。その翌日、急遽、サウジアラビア人の友人側に約13億円を不正に支出させたなどとして、会社法違反(特別背任)容疑で3度目の逮捕に踏み切った。

 金商法違反容疑でゴーン被告の共犯として逮捕、再逮捕されていた元代表取締役、グレゴリー・ケリー被告(63)が25日に、起訴内容を否認しながら逮捕から1カ月余りで保釈されたのも異例だった。一般的に被告が否認している場合、証拠隠滅の恐れがあるなどとして、公判前整理手続きで論点が明確になるまで勾留されるケースが多いためだ。

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