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【国際情勢ファイル】自殺者も出るミシュラン格付け 元三つ星シェフの提訴に司法判断は…

 ミシュランは弁護人を通じて「消費者のために評価する権利が認められた。ベイラ氏は中傷をやめよ」とコメント。ベイラ氏に、3万ユーロ(約360万円)の損害賠償を求めた。

 訴訟が注目されたのは、裁判の過程で、ミシュラン伝統の秘密審査に風穴があくのではないかと期待されたからだ。星番付をめぐるシェフの苦悩は、いまや社会問題化している。

 ミシュランガイドは元々、タイヤ会社のミシュランが客に無料で配ったホテル、飲食店案内だった。現在の格付けは1930年代に始まり、いまや一つ星を取れば「客が30%増える」と言われるほど。一方、星を獲得した途端、シェフは星喪失の恐怖から逃れられなくなる。2003年、三つ星剥奪の噂を報じられたシェフが拳銃自殺。16年にはスイスの三つ星シェフが猟銃自殺した。

 三つ星店は味だけでなく、サービス人員や装飾、高級素材をふんだんに使う「品格」を求められる。プレッシャーから「見失うものが多い」と星を辞退するシェフも相次ぐ。「世界一多くの星を持つシェフ」といわれた大御所、故ジョエル・ロブション氏も1996年にいったん返上した。当時、「金塊のように高価な手長エビを仕入れ、白綿のような身だけをすくう日々。常に完璧を求めるあまり、消耗した」と述べたという。

 公表される審査基準は、(1)素材の質(2)調理技術の高さ(3)独創性(4)価値に見合う価格(5)料理全体の一貫性-の5つ。三つ星は「それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理」に与えられる。三つ星店には3度、秘密調査員が訪れるといわれるが、真相は謎のまま。かつて、元調査員が「実は毎年、訪問調査をしているわけではない」と書いた暴露本を出版し、ミシュランと訴訟合戦になったこともある。

 三つ星が、だれにとっても「最高の店」とはかぎらない。

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