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【痛みを知る】痩せることが治療の第一歩 変形性膝関節症 森本昌宏

 平均寿命の延長とあいまって、高齢者特有のさまざまな疾患が増えているが、膝の痛みもそのひとつと言える。事実、「膝が痛くて外出するのがおっくうで…」「階段の上り下りが辛(つら)くって…」として、私の外来を受診される患者さんが後を絶たない。

「荷重関節」と呼ばれる最大の関節 膝の痛みの原因、症状は多岐にわたるが、これらのうち中高年でみられるものの大部分が加齢に伴って生じる「変形性膝関節症」である。膝関節の軟骨が水分や弾力を失い摩耗することで発症するとされているのだ。いずれにせよ、肥えた中年以降の女性に多く、特に更年期を過ぎた50歳代で発症率は急増する。この膝関節は、体のなかで最大の関節であり、体重という大きな荷重、さらには跳んだり走ったりする時の負荷に耐えていることから“荷重関節”と呼ばれる。

 毎日、毎日繰り返す屈伸運動により、軟骨が少しずつすり減ってしまうことは避けられない。私は、患者さんには「どんな頑丈な機械でも、何十年も使っていればガタがきますよね、そこに結構な重さがかかり続けていたら、なおさらですよね?(だから、痩せましょうね!)」と、説明している。

早期治療が重要

 発症早期の症状は、(1)正座ができない(2)階段を下りる際に痛い(3)歩き始め、立ち上がる際に痛い(“スタートペイン”と呼ぶ)(4)余分な水がたまる-などである。これらはすり減った関節軟骨の一部が関節液のなかに落ち込んで滑膜(膝関節を包む関節包の内側を覆っている)を刺激することや、軟骨が薄くなって骨が顔を出すことによる。

 この時期の最大の治療目的は、痛みをとることである。私は、膝関節内にヒアルロン酸ナトリウムと局所麻酔薬の混和液を注入している。ヒアルロン酸ナトリウムは、人間の関節内、眼の硝子(がらす)体や臍帯(さいたい)などに広く存在する物質であり、注入により関節組織の被覆、軟骨の代謝改善、潤滑効果などが期待できるのだ。これに加えて、関節周囲へのトリガーポイント注射、鍼(はり)治療を併用することで治療効果は格段に向上する。さらに、最近では高周波熱凝固法による知覚神経枝(大腿神経の内側広筋枝、伏在神経の膝蓋下枝、脛骨(けいこつ)神経の関節枝)の選択的なブロックを行っている。

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