PR

ニュース プレミアム

【痛みを知る】風が吹いても痛い「神経障害性疼痛」 森本昌宏

 痛みとは「実際の組織損傷、あるいは潜在的な組織損傷と関連した、またはこのような組織損傷と関連して述べられる不快な感覚的情動的体験」であると、『国際疼痛(とうつう)学会』は定義している。

痛みを感じない刺激でも“痛い”

 要領を得ない定義(定義ってだいたいが要領を得ない)ではあるが、ここではっきりしているのは、痛みって身体への危害(“侵害刺激”)に対する警報としてのみではなくて、本来なら痛みを生じない刺激(“非侵害刺激”)、さらには刺激がない場合でも起こり得るということである。噛(か)み砕いて言うと、指に針を突き刺せば痛いのは当たり前ではあるが、風が吹いても痛みを感じてしまう病気があるのだ。

 この風が吹いても痛いのが、「神経障害性疼痛」(ニューロパシックペイン)であり、「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる痛み」と定義されている。痛みを感じない程度の刺激を受けても痛みと感じる、または痛みがある部位の感覚が失われていることが特徴であるが、この痛みは警告の意味を持たず、痛みの強さは刺激の大小に比例しない。これは痛みを末梢(まっしょう)(皮膚など)から中枢(大脳)へと伝える伝達機構の異常(“痛みの感作”)、逆に痛みを押さえつける抑制機構の異常によって生じる。

7つの診断基準

 (1)進行性の病変がなく、損傷後に一度痛みがなくなってから新たな痛みが出現(2)通常は痛みを感じない程度の刺激で痛みを感じる(“アロディニア”と呼ぶ)(3)灼熱(しゃくねつ)痛、突発的な電撃痛(4)痛み刺激に対して過敏(“痛覚過敏”)(5)損傷によって感覚がなくなっている部位に痛みを感じる(“求心路遮断痛”)(6)繰り返しての刺激で痛みが強くなる(7)痛みに匹敵する不快な感覚(感覚異常)を伴う-などが診断の基準となる。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ