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【時刻表は読み物です】不屈の「貴婦人」 苦難乗り越え「やまぐち号」40年

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 そして、京都・梅小路機関区にやってきた後の51年9月4日、京都-大阪間を往復するイベント列車「京阪100年号」を復路で牽引中に事故が起きる。茨木駅構内を走行中、写真撮影の小学生が列車に接触して死亡した。当日、沿線はSLをひと目見ようという10万人(国鉄調べ)もの見物客であふれかえり、一部では線路内に立ち入る人々もいた状況。国鉄は約千人の警備員を配したが、混乱は予想以上だった。

 C57の牽引は高槻で打ち切られたため、京都で待ち構えた一部のファンが激怒。駅長室に押しかけたため、駅係員は土下座したという。明らかに間違った熱狂だった。当時、小学生だった自分も見に行きたいと思ったが、土曜日で学校があったため断念。事故のニュースを聞いて、とても残念に思った記憶がある。

 さらに苦難は続く。平成7年には神戸市内で点検中に阪神大震災発生。ボイラーなどに大きな損傷を受け、静態保存されていた別の機関車から部品をもらった。30年は西日本豪雨による不通や車両不具合で「やまぐち号」を引っ張る機会はなかった。82年という車齢から、不具合が発生するケースもみられるが、「貴婦人」は苦難の度に再起を果たし、「やまぐち号」で活躍の日々は機関車人生の約半分となった。

C57型1号機は滋賀県内の北陸線を走る「SL北びわこ号」にも使用されている
C57型1号機は滋賀県内の北陸線を走る「SL北びわこ号」にも使用されている
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 現在は全国各地でみられるSLの観光列車。とくに、JR西日本はSL動態保存を鉄道文化活動と位置づけており、設備の充実や技術の継承に取り組んでいる。29年秋には「やまぐち号」用の客車を新製するなど、社を挙げてSL運行へ情熱を傾けている。「貴婦人」にはもっともっと、長生きしてほしいものだ。(鮫島敬三)

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