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厚さが半分以下に 2020年版「現代用語の基礎知識」スリム化の吉凶は

右が2020年版、左が2019年版。比較すると、厚みの違いが一目瞭然。
右が2020年版、左が2019年版。比較すると、厚みの違いが一目瞭然。

 ド迫力の分厚い年鑑が、驚くほどスリムに-。“言葉”を切り口に、1年の世相を振り返る年鑑『現代用語の基礎知識』(自由国民社)が、今年、異例の大幅リニューアルを遂げた。

 前年版と比べて、まず目をひくのは厚さの違いだ。前号である2019年版の厚さは48ミリ、1224ページにのぼるが、最新の2020年版は19ミリ、296ページと、厚さは半分以下、ページ数は約4分の1となった。重さも大幅に軽くなり、机に置かないと読むのが難しかったのが一転、寝転んで読んだりもでき、持ち運びもだいぶ楽になりそうだ。

 さらに価格も一新。前号は税抜き3200円だったのが、今号は半額以下の同1500円となった。編集長の大塚陽子さんは、「とにかく手に取ってもらいやすいことを意識した。リニューアル版はコンパクトで値段も単行本一冊分。買いやすく、読みやすくなった」と説明する。

 『現代用語の基礎知識』は、昭和23年に創刊。バブル期には他社から『イミダス』『知恵蔵』といった類書も登場し、部数を競い合った。平成後半に入るとインターネットの台頭が影響し、ライバル2誌は休刊。そんな中、同誌だけは国内唯一の「言葉の年鑑」として生き残り、今回で72号目の発行となる。

 2020年版は11月上旬に発売。年に1冊という性質上、結果が見えてくるのは少し先になるが、販売の出だしは好調で、世間の反応もおおむね好意的だという。ただ、かつてない大幅なリニューアルには、やはり不安も尽きなかったようで、「言葉や環境が大きく変わる中、今後も『現代用語の基礎知識』を続けていくには、媒体自体も変わる必要があった。改元という節目もあり、覚悟を決めた」という。

 変わったのは外見だけではない。中身も刷新しており、同誌が目指すところも「今年の言葉が何でも載っている」から、「より厳選した言葉やテーマで世相を見る」に変化した。

 ページを開くと、目をひくのは、前号にはなかった巻頭インタビュー。講談師・神田松之丞さんがカラーで数ページにわたって登場した。年鑑ならではの用語索引は、前号はほぼ巻頭にあったのが、今号は巻末へ移動。前号まで「辞典」のような作りだったのが、リニューアル版は「雑誌」に近くなったとも言えそうだ。

 今、わからない言葉やニュースもネットで見てしまえば事が済む中、あえて紙媒体の大幅リニューアルに賭けたのはなぜか。

 大塚さんは「WEBは知らず知らずのうちに“自分の興味”というフィルターにかけられたものしか見なくなる側面があるが、紙なら言葉をテーマでまとめて理解でき、興味のなかったジャンルや意見を知るきっかけにもなる。本誌が、少し広く世の中を見る手助けになれば」と、その意義を語る。

 その心意気は吉と出るか-。今後もしばらく注目が続きそうだ。

(文化部 加藤聖子)

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