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あの「ゾンビ」日本初公開版がよみがえった!

(C)1978 THE MKR GROUP INC. All Rights Reserved.
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 ホラー映画の金字塔とされる「ゾンビ」(ジョージ・A・ロメロ監督、1978年米国)の日本公開は1979年。40周年を記念し、日本初公開版が復元され、話題を呼んでいる。日本初公開版は、リバイバル上映が終了した90年代以降、処分されたとみられ、長らく“幻”だったという。大阪市北区のシネ・リーブル梅田など関西でも順次公開されている。

 映像会社の「フィールドワークス」が主体となって企画した。

 物語は、19××年の近未来。惑星から降り注いだ光線によって、地球上の死者がゾンビとして復活、群れをなし生者に襲いかかる。ゾンビに噛まれたものはゾンビへと変貌、次々と増殖していく-。

 同社のプロデューサー、藤村健一さんによると、日本初公開版は当時、日本独自に編集、追加されたものだという。40周年に合わせて上映会を企画したが、「当時のフィルムは、配給元や国立映画アーカイブなどにも存在しなかった」と藤村さんは言う。詳細に再現しようと、ネット上で情報を集めるなどし、「ゾンビ日本初公開復刻版制作委員会」を立ち上げた。

 米国では、68年にロメロ監督の前作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でゾンビが発生した理由が描かれているが、日本人がゾンビ発生の経緯を理解できるよう、日本初公開版には、冒頭の惑星が爆発するシーンとタイプライターで打たれた説明テロップが流れた。

 また、残酷なシーンはR指定があるため静止画やモノクロ画面へと切り替わる。本編は119分から115分へと4分カット。ラストはエンドロールではなくBGMで終わる-。

 「時代を感じる雰囲気があり、サブカルチャーとして人気を博したこの映画をできるだけ忠実に再現して、マニアの人だけではなく、多くの人に見てもらいたいと思いました」と藤村さん。調査を進めると、動画投稿サイトで、日本語タイトルの表示方法、惑星爆発のシーン、タイプ打ちの説明文がそれぞれ見つかった。引用元はいずれも不明だったため、映画制作会社「スティングレイ」がCGなどで制作したという。

 「ゾンビは、ことのほかマニアが多いため、情報も多かった」と藤村さん。公開当時やリバイバル上映を実際に鑑賞した同業者や関係者らにも編集映像を何度も確認してもらった。

 また、日本語字幕は当時、映画を見ながらせりふを書き留めたというファンのノートを元に書き起こし、当時と同じく1行10文字、2行以内とし、新たな翻訳も書き加えた。

 こうして復元された日本初公開版を全国で公開しようと、宣伝費などの諸経費を募るクラウドファンディングを実施。目標額の500万円は2週間で突破し、8月には1千万円を超えたという。藤村さんは「『ゾンビ』の魅力は、今も薄れていないことを実感した」と話す。

 「ゾンビの小哲学」(マキシム・クロンブ、人文書院)の翻訳を手がけた、ホラー映画史研究者の福田安佐子・国際ファッション専門職大学(大阪市北区)助教は、「人間が理性で抑えられている欲望に突き動かされるゾンビの姿は、野蛮で気持ち悪くもある」。その上で、「家族や友人、恋人がゾンビになったら殺せるのか、などの葛藤や同調が、観る人に深く突きつけられる」とゾンビ映画の魅力を語る。

 シネ・リーブル梅田で1月2日まで上映予定。京都シネマ1月10日まで、神戸市の元町映画館は1月1日~17日公開予定。3月末まで全国各地で順次公開予定。

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