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【通崎好みつれづれ】被災木琴の再出発

被災地・千葉から引き取られた「ヤマヒロ木琴」=京都市下京区(永田直也撮影)
被災地・千葉から引き取られた「ヤマヒロ木琴」=京都市下京区(永田直也撮影)
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 1年を振り返る時期になった。今年は、9月から10月にかけて、立て続けに大型台風が発生、東日本を中心に大きな被害をもたらした。千葉県での大規模停電、断水のニュースはまだ記憶に新しい。

 私は、思わぬ形で「千葉の台風」と向き合うことになる。

 東京都在住の中村記子(のりこ)さんから、こんなお申し出を受けた。「千葉の留守宅が台風被害に遭い、処分を迫られている。そんな中、母が嫁入り道具として持ってきた50年以上前に作られた木琴だけ行き先がみつからない。知恵を貸してもらえないだろうか」

 この木琴は、中村さんの母方祖父・山添博康さんが経営していた新潟県直江津市(現上越市)の楽器店「ヤマヒロ楽器センター」のオリジナル。「ヤマヒロ木琴」は、博康さんが、小児まひの後遺症で車椅子生活を強いられた弟・隆司さんを工場長に設立した木琴製造会社。障害者雇用にも力を入れた。千葉のお宅にある楽器は、今に残る貴重なヤマヒロブランドの1台だ。話を聞くと、処分するには忍びなく、また純粋に興味もあったので、私は、木琴にあうため千葉県富津市に出かけた。

 中村さんのお宅も、吹き飛んできた隣家のフェンスで軒に穴が空き、雨が入った。室内は、雨漏りのせいでベロンとめくれた天井板が、いくつも大胆に垂れ下がっている。この状況で木琴が濡れなかったとは、奇跡としかいいようがない。とにかく、木琴を「救出」して京都に持ち帰ることに決めた。

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