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障害者のスポーツ実施率わずか2割 東京パラで環境整備を期待

11月には東京パラリンピックの聖火ランナー募集開始発表会が行われた。いよいよ近づくパラリンピックだが、どのようなレガシーを残すことがきるか=27日、東京都江東区(奥村信哉撮影)■■キャプション■■パラ聖火リレーランナー募集の記者発表会に出席した男子テニスの錦織圭(左から3人目)ら=27日、東京都江東区(奥村信哉撮影)
11月には東京パラリンピックの聖火ランナー募集開始発表会が行われた。いよいよ近づくパラリンピックだが、どのようなレガシーを残すことがきるか=27日、東京都江東区(奥村信哉撮影)■■キャプション■■パラ聖火リレーランナー募集の記者発表会に出席した男子テニスの錦織圭(左から3人目)ら=27日、東京都江東区(奥村信哉撮影)

 パラスポーツの認知度は高いのに、当事者である障害者のスポーツ実施率はわずか2割-。そんな調査結果を、笹川スポーツ財団が発表した。東京でパラリンピックが開催される2020年を目前に控える今だからこそ、「障害者がいつでも、どこでもスポーツに親しむことができる環境の整備が必要」と指摘している。

 「障害者のスポーツ環境について」の調査結果は19日、都内で発表された。

 パラリンピックの自国開催は、五輪と同様、次代に向けてどのようなレガシー(遺産)を残していけるかが問われる。

 もともと、戦争で傷を負った人たちのリハビリテーションから誕生したスポーツイベント。同財団によると、1964年の東京パラでは、翌年に「日本身体障害者スポーツ協会」が発足し、各地で障害者を対象にしたスポーツ大会が開催されるようになった。

 1998年冬季長野パラでは、リハビリの延長とされていた「スポーツ」が、競技力向上に取り組む「スポーツ」として認識されるようになった。

 そして20年東京パラで、日本は3度目の転換点を迎えることになる。同財団では、東京開催が決定した2013年9月以降の障害者のスポーツ環境について調査を実施。回答した約1500人のうち98・2パーセントが「パラリンピック」を知っていると答えた一方で、障害者のスポーツ実施率(週に1回以上)は20・8パーセントに留まっていることが分かった。

 健常者の実施率は55・1パーセントだけに、違いは明らか。要因の一つとして、公共のスポーツ施設が全国に5万2844施設あるとされる中、障害者専用・優先の施設は115施設しかなく、同財団は「地域によって、障害者が気軽にスポーツができる環境ではない」と指摘する。

 スポーツ庁が目指している障害者のスポーツ実施率は4割程度。その実現に向けて、同財団の政策ディレクター小淵和也氏は「障害者がいつでもスポーツに接することができる連携体制の構築」を提言した。

 決して新しい専用施設を作るのではなく、地域の公民館や福祉施設、特別支援学校などを含めた既存の施設を利用し、全国に2万7000人いる障害者スポーツ指導員とのつながりも深めていくことで、障害者を取り巻くスポーツ環境は大きく変わると、同氏は考えている。

 障害者スポーツ競技団体(全53団体)の実態調査では、2021年4月以降の事業の進め方(運営/人員/予算)について、「縮小」(17団体)が最も多く、次いで「現状維持」が15団体。「拡大」と答えた14団体はすべて、パラリンピック競技以外の団体だったという結果もある。

 身近な環境を整備することは、次代のパラアスリートを発掘・育てることにつながり、現在活躍中のパラアスリートが20年以降も競技を続ける後押しにもなる。

 どこまでそのような機運を高めることができるか。それこそが東京パラのレガシーになるかもしれない。(運動部 西沢綾里)

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