PR

ニュース プレミアム

【石仏は語る】玉虫厨子似、高度な造形技術「古法華石仏」 兵庫県加西市西長町

古法華石仏
古法華石仏
その他の写真を見る(1/2枚)

 笠松山の山麓に古法華(ふるぼっけ)石仏と称される白鳳時代(7世紀後半から8世紀初め)の三尊石仏(国の重要文化財)があります。仏教伝来以後の石造品として遺品が少ない中、この時期に制作された石造浮き彫りの如来像および両脇侍(わきじ)像の厨子(ずし)屋根付きの石仏です。

 兵庫県小野市と加西市を結ぶ北条鉄道を使って、古法華自然公園に入り、笠松山・善坊山の山道を歩きながら参詣できます。少し登った高台に観音堂だけが残り、横の収蔵庫に保存されています。昭和30年にその価値が評価されて奈良国立博物館に保管展示されていましたが、保存修復後、昭和46年に返還された石仏です。

 石造品は板石の高さが約102センチ、幅約72センチ、奥行き約21センチ、厨子屋根の部分は正面幅約122センチ、側面幅約84センチ、高さ約50センチの凝灰岩製です。この石造龕(がん)(仏像をおさめる厨子)は法隆寺の「玉虫厨子」に似ています。

 本来は正面に石製の扉などがあったと考えられます。石龕(せきがん)細工が素晴らしく、残された屋根蓋は一石で彫り出されている。重なり合った丸瓦が続く行基葺きで、入り母屋造りの錣庇(しころびさし)など瓦や庇が細かく彫られているのが見られます。在地での高度な造形技術が知られます。

 像容は、天蓋および三尊像面相の半肉彫り部分が剥がれ落ちていますが、正面の中尊には、二重円頭光背が彫られ、椅子(いす)に腰かけられて倚座(いざ)する如来像が見られます。中尊の下部には椅子構造の微細な彫刻模様、佳麗な香炉が置かれます。左右には茎付きの蓮華(れんげ)座上に菩薩立像を配し、同じく二重円頭光背が表現されています。その上部に三重宝塔、下部には獅子像が脇侍の蓮華座を頭部でささえる彫りが見事です。   (地域歴史民俗考古研究所所長 辻尾榮市)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ