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動物園の繁殖事情 移動も大仕事

ドイツから繁殖教育のために来日したクロサイのサミア
ドイツから繁殖教育のために来日したクロサイのサミア

 動物園の重要な仕事の一つに、繁殖があります。大阪市立天王寺動物園は、国内外の動物園と協力して繁殖に成功してきました。

 開園から100年以上の歴史を誇る天王寺動物園で、「動物園マニア」の目線で動物園経営を進めている牧慎一郎園長。牧さんが平成27(2015)年4月から産経新聞で掲載してきた動物園日記から、選りすぐりをお届けします。

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 飼育している動物に子供が生まれるのは、動物園の仕事の醍醐味(だいごみ)です。うれしいことなのですが、子供が大きくなってくると、いずれは他の園に送り出さなくてはいけないのが、動物園の宿命。園の限られたスペースでは、飼える頭数も限られますし、近親交配を避けることも必要です。

 また、近年は動物園どうしでの繁殖協力による動物移動も増えています。かくして、動物園では動物の出入りが頻繁に行われます。

 さて、当園ではクロサイを飼育していますが、平成26年1月に雌のサッちゃんが亡くなって、雄のトミー(32歳、平成27年当時)1頭だけになっていました。新たに雌を導入したいのですが、国内にいる個体は血統が近い個体が多いこともあって、海外の動物園からの導入を目指すことにしました。

 クロサイは、世界の動物園間で繁殖協力が行われている種で、国際的な動物園間ネットワークの中で調整が行われますが、こうした国際的な協力を実現させるには、飼育技術に対する国際的な評価も大事です。

 クロサイの繁殖実績がある当園は、繁殖個体を英国の動物園に移送し、国際的に貢献していることもあり、ドイツのライプチヒ動物園から、雌のクロサイ(サミア、2歳)に来てもらうことが決まりました。

 サミアの引っ越しは平成27年6月。当園の獣医も同行してサミアの健康状態を確認しつつドイツからの長旅に挑みました。天王寺に到着したときは、さすがに疲れた様子でしたが、無事に着いてホッとしました。

 8月から放飼場での公開を始めましたが、なかなかかわいらしいサイです。当園の人気者になってほしいですね。まだ少し先になりますが、いずれは2世を。

 (天王寺動物園長兼改革担当部長 牧慎一郎、平成27年9月掲載。転載にあたり加筆修正しています)

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