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【川村妙慶の人生相談】「ママはいない」どう伝えれば

相談

 1年前から父子家庭となった20代の息子と、2歳になる女の子の孫のことでご相談です。近くに住んでいるため、よく遊びに来ます。最近では孫も盛んにおしゃべりするようになりましたが、時々、女性を見て「ママ」と言うことがあります。保育園でほかの子のママを見て覚えてきたようです。

 息子は離婚に至るまでは育児放棄など大変な思いをしてきたため、「ママはいない」「捨てられた」などと伝えるつもりのようですが、それも孫がかわいそうな気がします。

 そのうち「なんでママがいないの」と聞かれたら、どう答えればいいのかと悩んでいます。息子との話し合いも必要と思っています。何かよいアドバイスをお願いいたします。

(50代、主婦)

回答

 ようこそお便りくださいました。お孫さんの成長がうれしい半面、母親を恋しく思う姿に胸が引き裂かれる思いでしょう。

 母親の育児放棄、残念でなりません。しかし、「捨てられた」と、そのままお孫さんに伝えるわけにはいきません。そのことが深い傷となって残るからです。息子さんの怒りの感情は抑えて、お孫さんの目線になって伝えてほしいのです。

 「なぜ私にはお母さんがいないの」とお孫さんに聞かれたら、次のように伝えてみませんか。

 「お母さんは他のことで頭がいっぱいになってしまって、お片付けも、〇〇ちゃんのお世話も、お父さんとお話しすることも、できなくなったんだって。このままでは、皆がダメになってしまうからお父さんは『僕が〇〇ちゃんと一緒に生きるから、別々に生きよう』ってお母さんに言ったんだよ」

 「お父さんは、〇〇ちゃんをしっかり守ってくれたんだよ。お母さんをどうか許してあげてね。どこかできっと生きているよ。おばあちゃんも〇〇ちゃんを守るからね」と、あなたとお父さんに愛されていることを伝えてください。

 そして、これから安心してお孫さんが生きていけるように、寂しそうなときは「〇〇ちゃんのポケットの右には、お父さんとおばあちゃんがいるよ。そして左のポケットには仏様がいて、いつも〇〇ちゃんを守ってくれているんだよ。一緒に生きていこうね」と伝えてほしいのです。

 今、お孫さんには、目に見えない大きな存在の懐に包まれているという感覚を持つことで安心し、希望を覚えてもらうことが大切だと思います。マイナスな感情はひとまず脇に置いて、心を温めるような言葉をかけてあげてください。きっとお孫さんが大きくなったら、懐の深い女性に育つでしょう。私も京都から案じています。

回答者

川村妙慶 僧侶兼アナウンサー。昭和39年生まれ。ラジオのパーソナリティーとして活動するほか、ブログの法話を日替わりで更新している。著書に「人生後半こう生きなはれ」(講談社+α新書)など。NHKラジオ第2「こころをよむ」(22日、29日の午前6時45分~)に出演。

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 住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、相談内容を詳しく書いて、〒100-8078 産経新聞文化部「人生相談 あすへのヒント」係まで。

 〈メール〉life@sankei.co.jp

 〈FAX〉03・3270・2424

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