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【医学部受験の現場から(13)】地域医療と奨学金 河合塾・山口和彦

山口和彦さん
山口和彦さん

 大学医学部の「推薦入試」の一部の定員は、卒業後に地域医療に従事することを条件として、実質上「返還無償奨学金」を設けている。これは、地域医療の医師確保のため、各府県が実施する施策の一環だ。定員はそれぞれ10人前後だが、「奨学金」は卒業までの6年間で1人あたり1千万円を超えるものがいくつも存在する。「奨学金」は学費負担だけではなく、その他の生活諸費用も含み、医学生をトータルに支援している。

 例えば兵庫県なら、神戸大学などの国立大医学部の地域推薦枠の入学者に6年間で1人1151万円を拠出している。同じ県内では私立の兵庫医科大学にも同じ推薦枠を設けており、こちらは学費が大きいため6年間で1人4480万円だ。

 京都府では京都府立医科大学に同様の地域推薦枠があり、6年間で1人あたり1080万円を拠出、奈良県では奈良県立医科大学に対し、地域医療枠ではなく「緊急医師養成枠」に6年間で1人あたり1140万円を適用することになっている。

 これらはいずれも、卒後9年間(もしくは適用を受けた2分の3の年数)を研修と県民医療に従事することで「返還無償」という条件になっている。

 卒後の勤務を担保して地域医療の充実が保障されると考えれば、各府県からのこれらの支出は、決してこの額でも多すぎるとはいえないだろう。

 地域医療といえば、慢性的な医師の偏在の影響で勤務が過剰になりやすいイメージがあり、簡単に医療従事者が集まらないのが現状だ。労働環境への不安、自分のキャリアへの不安、また、医師といえども家庭を持つ1人の人間だから、自分の子供の教育への不安もあるに違いない。

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