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【深層リポート】ヘイト条例実効性は 川崎市が罰則付き条例可決へ

 過去に頻発したようなデモに対する抑止力にはなり得ても、差別的表現が発せられない現在のヘイト対立の解消には、市側も「(抑止力や実効性は)全くない」(担当者)と言い切っている。

困惑する市民

 街頭で繰り返されるヘイト対立に、困惑の表情をみせる人は少なくない。市外から訪れた通行人らは口々に「うるさい」「一体、何ごとかと思った」などとあきれた声をもらし、近隣の住人らからは「街のイメージが悪くなる」「大人がみっともない」などの声が聞かれる。

 こうした事態について、福田紀彦市長は「迷惑に感じている市民もいるし、市外から来る人にとって街の印象も非常に良くない」との見方を示している。ただ、対立の解消には、市は今のところ何の対策も示していない。

 市内では9月末、「ヘイトには反対するが、条例制定にも反対する」と主張する団体が新設されるなど、ヘイトに関する動きはなお、かまびすしい。市は条例制定に向けて邁進(まいしん)するが、事態は既に次のステージに移って久しい。

■ヘイトスピーチ 特定の国籍や民族、人種に対して、差別や暴力、排斥をあおる憎悪表現。川崎市では29年11月、市立公園や公民館など、公的施設でのヘイトスピーチを事前規制するガイドラインを策定。30年3月末から施行している。

【記者の独り言】

 川崎市は規制の条例化にあたり、「ヘイト対策の最前線であることを全国に示す」と標榜(ひょうぼう)しているが、現実に市内で起きているヘイト対立が、条例化によってなくならないことは明らかで、改めて市の姿勢が問われる。

 市が対立への対処に及び腰であることは、市の担当者が「行政が演説を規制しては言論の自由が崩壊する」と述べていることからもうかがえる。一方、市が対立を苦々しく見ていることも確かだ。あれこれ理由をつけて真に有効な対策を取らないでいることは、むしろヘイト対立に後ろ向きな姿勢を全国に示すということになるのではないか。(外崎晃彦)

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