PR

ニュース プレミアム

【熊木徹夫の人生相談】職場のいじめで退職、前を向くには

相談 40代の女性。同性の同僚からのいじめに耐えられず、5年間勤めた職場を辞めました。同僚は偶然、私の昔の知り合いで、最初は懐かしい話をして和もうと努力しました。でも同僚は、いつも私が何かミスをしないか探す感じで、ミスを見つけると、ちくちく小言で、ときには罵倒してきました。他にも無視や、物の投げつけ、大きな音での威嚇もあり、私が近くに行くと飛び退くように振る舞われたこともありました。

 好きで大事な仕事だったので、辞めたくなかった。いつかは分かり合えるだろうと信じ、自分に悪いところがないか反省したり、上司にも相談しましたが、改善できませんでした。仕打ちを思い出すと、今も時々、眠れなくなります。この不条理さに腹が立ってもいます。

 でも、負けたくない。私が前を向くためのアドバイスをお願いします。(大阪市、主婦)

回答 まず、あなたはよく頑張った、と思います。同僚からのさまざまな嫌がらせ、理不尽な仕打ちに遭ってもめげず、何とか生産的な対処をしようとしていたのはよく分かる。ご自分がこだわってきた仕事を打ち切らざるを得なかったその無念はいかばかりか。

 では、この事態をどう考えるべきか。また、今後どのように生きていくのがいいか。一緒に考えてみましょう。

 まずこの同僚はどういう人物だったのか。あなたがどれだけ友好的に振る舞っても、それを遮ろうとしてきた。それどころか、あなたを攻撃し、迫害しようとさえした。すなわちこれは「マウントを取ろう」という言動です。このような相手に「話せば分かる」という姿勢で虚心坦懐(きょしんたんかい)に接したところで全く甲斐(かい)がない。あなたがいくら頑張っても、あなたが職場を退くまで執念深く攻撃を続けたに違いありません。

 あなたは「負けたくない」と言われるが、一体何に、誰に負けたくないのか。それが彼女に対してというならば、それは無駄な消耗を招くだけです。恐らくそうではないでしょう。

 今の逆境に打ちひしがれている自分のままでいたくない、という意味であれば理解はできます。が、あまり利口な姿勢とはいえない。世の中は必ずしも「意あるところに道は通じ」ないからです。今のやり方のまま努力を積み重ねるのではなく、ひとまず頑張った自分を慰撫(いぶ)してあげる必要がある。

 この世には残念ながら「いかに懸命に関わろうとしても情緒が通い合わない人物」が一定数います。まずはそのことを認め、今後そんな人物との交錯をなるべく減らすことが大事です。あなたの努力は、それが評価される場を選んで成されるべき。そこにあなたの未来があります。

回答者

熊木徹夫 精神科医。昭和44年生まれ。「あいち熊木クリニック」院長。著書に「自己愛危機サバイバル」「ギャンブル依存症サバイバル」(ともに中外医学社)、「精神科医になる~患者を〈わかる〉ということ~」(中公新書)など。

相談をお寄せください

 住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、相談内容を詳しく書いて、〒100-8078 産経新聞文化部「人生相談 あすへのヒント」係まで。

 〈メール〉life@sankei.co.jp

 〈FAX〉03・3270・2424

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ