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【ビジネス解読】消費税増税で際立つ国の税収増 閉じる「ワニの口」

消費税増税が実施され、大阪府内のコンビニエンスストアでは惣菜などの「持ち帰り」と「イートインスペース利用」で消費税の適用税率が変わることを知らせる張り紙が出ていた=10月1日午前、大阪府吹田市(渡辺恭晃撮影)
消費税増税が実施され、大阪府内のコンビニエンスストアでは惣菜などの「持ち帰り」と「イートインスペース利用」で消費税の適用税率が変わることを知らせる張り紙が出ていた=10月1日午前、大阪府吹田市(渡辺恭晃撮影)

 10月1日に消費税の税率が10%に引き上げられる中、国の税収の好調ぶりが際立っている。財務省によると、消費税増税を受けた令和元年度の税収は前年度に続き過去最高を更新する見込み。慢性的な財政赤字の大きさが少しずつ縮小してきているともみられる。ただし、税収の着実な増加は国民負担の重みが増していることの裏返しでもある。働く世代の間では社会保障のために払う費用の上積みなどもあって負担感はさらに大きくなっており、国の税収増を喜んでばかりもいられなさそうだ。

 「ワニの口が徐々に閉じてきている」

 クレディ・アグリコル証券の森田京平チーフエコノミストはリーマン・ショック後の税収の推移についてこう分析している。

 ワニの口とは財政赤字の拡大傾向が続いてきたことの例えだ。国の一般会計での支出と税収の推移を折れ線グラフで示した場合、支出が税収を上回り続け、あたかもワニがパックリと口を開けたような形になる。ところがこのところ下アゴにあたる税収のグラフが上向き、横ばい傾向にある支出のグラフとの差が縮まってきている。

 財務省によると、平成30年度の税収は2年度以来28年ぶりに過去最高を更新。消費税増税の効果が加わる令和元年度の税収は記録をさらに塗り替え、約62兆5000億円に達する見込みだ。

 税収の増加は最近だけの傾向ではない。税収の直近の底はリーマン・ショック直後の平成21年度(約38兆7000億円)で、その後はほぼ一貫して上昇。令和元年度までの10年で約1・6倍に膨らむ計算だ。

 ここまで税収が増え続けてきた要因は消費税率引き上げと所得税の伸びにある。

 平成26年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたことで、消費税による税収はそれまでの10兆円程度から17兆円程度に大幅アップした。またリーマン・ショック後の堅調な企業業績の回復や人手不足を背景に、働き手が多くなってきたことが所得税収の増加をもたらした。さらに株価上昇で運用利益が生じやすくなっていることも所得税の増加につながっているとみられている。

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