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バイト感覚で詐欺の片棒 受け子・出し子の哀れな末路

 男は4月19日、北九州市内で60代女性のキャッシュカードをだまし取ることに成功し、ATMから350万円を引き出した。さらに5日後、桜井市の女性宅を訪問し、キャッシュカードを盗んで200万円を引き出した。犯行はその都度スマートフォンで指示され、盗んだ金は自分の報酬分を抜いた上で現金の運搬役に手渡していた。

 だが、過去に犯罪歴があった男は7~8月、福岡、奈良の両県警にそれぞれの事件で逮捕された。キャッシュカードとすり替える際に自身の名義で作ったポイントカードを使っていた上、封筒には指紋が残っており、あっけなく身元が判明したという。

 両県警の調べに対し、男はこんな話を打ち明けた。犯行の際には九州から関西まで移動させられ、指示された公園や駅前で待機。成功しなければ報酬はもらえないため、時には昼食を抜き、インターネットカフェやラブホテルに泊まるなどして宿泊費も切り詰めた。直前で計画が中止になることも珍しくなく、「そろそろ成功させなければ」と焦りは募るばかりだったという。

 SNSなどで高額報酬が得られる「闇バイト」を探し、特殊詐欺に加担する若者が増えていることが問題になっている。犯行場所は東京や大阪などの都市部だけでなく、地方にも広がっている。奈良県警が今年9月末までに、特殊詐欺関連の事件で逮捕したのは29人。うち19人が受け子や出し子で、大半が10~20代だった。

 実行役である受け子や出し子に支払われる成功報酬は5%ほど。逮捕されるリスクの大きさに比べ、見返りは少ない。県警が8月に逮捕した男が受け取ったのも、相場通りの10万円だった。

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