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立派なお考え…奈良市の宿泊税導入に知事が痛烈皮肉

 東大寺や平城宮跡など多くの世界遺産に恵まれているにもかかわらず、見込み税収が少ないのは日帰り客が圧倒的に多いからだ。奈良に立ち寄っても宿泊は大阪や京都という観光客も多く、昨年1年間に奈良市を訪れた観光客は過去2番目に多い1702万5千人だったが、宿泊客は173万8千人と全体の約1割にすぎなかった。

 滞在時間が短く、宿泊客数も少ない。これこそ、奈良市が長年抱える観光面の課題だ。「奈良市はうまいものなし、宿泊施設なし、ないないずくしといわれてきた観光地。それをいい評判にしようと(県は)必死です」と荒井知事は言う。

 県は市内に点在する観光地を周遊する「ぐるっとバス」を100円の格安運賃で運行したり、国際会議に対応したコンベンションセンターを建設したりと観光サービスに多額の予算を投入してきた。外資系高級ホテル「JWマリオット」(来春開業予定)の誘致にも成功し、観光振興策は少しずつ成果が出ている。

 宿泊税の導入によって奈良観光のイメージが悪くなれば、こうした努力に水を差す-。県はまさにそこを懸念するが、市にも宿泊税に頼らざるを得ない事情がある。

 市が9月に公表した平成30年度決算によると、経常収支比率(人件費や扶助費などの義務的経費が一般会計に占める割合)は100・8%。100%を超えると、必要な経費が収入でまかなえないことを示している。深刻な財政難の奈良市は、新規の投資に回す資金的な余裕がないのだ。

 しかし観光振興を目的に宿泊税を徴収するからには、税の負担感を超える満足感を生み出す必要もあり、市にはその覚悟と知恵が求められる。

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