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「承認欲求」に苦しむ人々が共感 「嫌われる勇気」200万部突破 

「嫌われる勇気」著者の岸見一郎さん(右)と古賀史健さん
「嫌われる勇気」著者の岸見一郎さん(右)と古賀史健さん

 哲学者の岸見一郎さん(63)とフリーライターの古賀史健さん(46)の共著『嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)が、11月予定の増刷で累計発行部数が200万部を突破する。アドラーの考えはなぜ現代人の心に突き刺さるのか。

 平成25年12月の初版発行からまもなく6年。本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称されるアルフレッド・アドラー(1870~1937年)の思想を、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが弟子たちと対話しながら考えを深めていくスタイルにならい、「青年と哲人の対話」という会話形式でまとめたものだ。ダイヤモンド社宣伝プロモーション部の松井未来部長は「当初は自己啓発書として20代後半から30代の会社員がメイン読者だったが、今は小学生から70代までのあらゆる年代で男女ともに読まれている」と話す。

 同書は、岸見さんの著書『アドラー心理学入門』(平成11年)に感激した古賀さんが長年にわたって温めた企画。アドラーの思想は、フロイトやユングのように「過去(原因)」をさかのぼることで「いま(結果)」を考えるのでなく、徹底して「いま」の目的を見つめることに主眼を置く。そして、「幸せに生きるために、他者からの承認を求めることや他者からの評価を気にすることをやめ、嫌われることを恐れずに自らが信じる道を進め」と説く。

 松井部長は「フェイスブックの『いいね!』の数を競うように、とかく他人の目を気にすることが多い現代人にとって、『他者の評価を気にするな』というアドラーの思想に感銘を受けた人が多いのでは。初版の出た6年前は急激にSNSが広まった時期で、本に共感してツイッターで勧めた人も多かった」と話す。

 一方、岸見さんは「本を読む前には思ってもいなかったような方法で自分や他者、さらには人生について考えるようになり、そのため『人生が変わった』、もしくは『変わるかもしれない』と思った人が、他の人に本書を勧めることが続いている」と出版以降の状況を総括。古賀さんも「一過性のブームとして消費されたのではなく、人から人へ、手から手へ、口承のように読み継がれていった結果」と受け止めている。

 ネット通販・アマゾンのカスタマーレビューは2300を超える。「他人からの承認欲求に苦しんでいたが、本を読んで救われた」「前向きな思考回路を持てるように何度も読み返している」など、びっしりと書き込んだレビューが多い。

 本書は24カ国・地域で翻訳出版され、関連本として28年に出版した『幸せになる勇気』と合わせると全世界で570万部を誇る。

 これから本書を手にする人に対して、岸見さんは「青年のように徹底的に疑い、自分で考えて読んでほしい」、すでに読んだ人には「ときどき読み返すと、前には気付いていなかったことが多々書いていることに気付く。再読をお勧めします」と話している。   (文化部 平沢裕子)

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