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【正論12月号】朝鮮・台湾の日本統治 対談「なぜかくも異なる評価なのか」 拓殖大学学事顧問、渡辺利夫×麗澤大学客員教授、西岡力

ソウル市内での反日抗議集会で配布されていたチラシ。写真の炭鉱労働者は日本人であり、韓国人ではない
ソウル市内での反日抗議集会で配布されていたチラシ。写真の炭鉱労働者は日本人であり、韓国人ではない

 ※この記事は、月刊「正論12月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

 渡辺 対談のテーマは「朝鮮統治と台湾統治はなぜ、かくも評価が異なるのか」ということです。同じ日本統治下におかれながら台湾と朝鮮とではその評価が大きく異なっています。それは何故かということを考えていきたいのですが、話の順番として韓国という国が一体どのような国なのか、このことをまず論じ、それとの対照で、台湾とはどんな地域だったかという具合に話を進めていきませんか。

 西岡 私が大学院で書いた修士論文のタイトルは「韓国人の日本観」というものでした。実はこの論文、指導教官は渡辺先生で、先生に判子を押していただいたお陰で私は修士をいただけたんですね。以来、渡辺先生には、ずっと足を向けられない(笑)。先生がほぼ一年間にわたって本誌に連載された「小説台湾」が前号で終了しました。先生お疲れさまでした。本日のテーマは韓国だけでなく台湾統治も視野に入れたもので、先生のお話を楽しみにしています。

 渡辺 長い付き合いですが、対談は初めてかな。韓国はなぜ反日的な存在なのか、という点から考えてみませんか。韓国は牢固たる反日国家です。その理由の一つに韓国という国家が「華夷秩序」観に呪縛されていることがまずあると思います。すでにこの論点は多くの人が指摘していることではありますが、韓国-朝鮮と言ったほうがいいかもしれません-は極めて強固なイデオロギー国家でした。それは今も変わらない。イデオロギーの中身はいろいろですが、ここでまず取り上げたいのは、「小中華思想」です。華夷秩序に基づく小中華意識が今も韓国の、特にエリートの胸中を満たしていることは間違いないでしょう。

 清朝という王朝は実は満州族という、「蛮夷」によってつくられた征服王朝ですよね。これは朝鮮には「清王朝は正統的な中華王朝ではない」と捉えられ、実際、そう見ていたわけです。それは、「中華王朝を正統的に継承、後継しているのは自分たち朝鮮だ」という考えになる。これがまさに小中華思想ですが、朝鮮人の考え方では、小中華思想こそが中華思想の神髄だとなる。

 朝鮮の清国に対する「事大主義」のことがよくいわれます。多くの人は、地政学的に見てあの巨大な中国を隣国として抱えているのだから、朝鮮が中国に仕えることが当然というイメージで事大という言葉を使っていますが、果たしてそれだけでいいのでしょうか。

 もちろん、そうした面はなくはない。確かに地政学的な視点で見ればその通りなのでしょうが、実は、朝鮮人が考えていたのは、小中華こそ中華思想のエッセンスだということです。大国、中国になびく事大はあくまで形式上のことであって、本質ではない。事大についてさまざまな解釈はできるでしょうが、小中華こそが中華よりも中華的なるもの、あるいは、中華思想をより純化したものが小中華なのだ、と考えられていたのですよね。

 日本など、朝鮮からみれば、これはとんでもない「蛮夷」の国だとなってしまう。日本という国は道徳もなければ正義もない。そういうイメージや意識が現代の韓国にも残っているんじゃないでしょうか。改めていわゆる「従軍慰安婦問題」とは何だったのかを見つめ直してみますとね、韓国人にとって「従軍慰安婦問題」とは、蛮夷である日本が典雅なる王朝、朝鮮の子女を陵辱したという、もう、どうにも許せないという感覚になってしまうのではないか。いくら日本が事実を積み上げて説明しても、彼らは全くと言っていいほど聞く耳を持たない。それは日本が蛮夷の国で道徳も正義もない国だからですよ。そうした発想は中華思想から導かれた小中華思想に由来する。中華思想がはらんでいる恐ろしさ、おぞましさだと感じます。 

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