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【エンタメよもやま話】ブルース・リーの場面に反発 「九段線」主張 世界の映画界で物議を醸す中国

 いずれにせよ、本コラムで何度も指摘してきたように、内容を徹底的に検閲し、自分たちに都合が悪い作品は公開させないという中国当局の姿勢が今回も明らかになった訳ですが、実は自分たちの方がもっと問題ある表現を映画で行っていたのです。

◇   ◇

 10月18日付の米CNNや同月21日付の米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)など欧米主要メディアが大々的に報じているのですが、米中合作の子供向けアニメ映画「アボミナブル」(ジル・カルトン監督)で、中国が南シナ海の領有権を主張するため、独自に使う境界線「九段線」が使われている場面があったため、これまでから中国の主張に反発しているベトナムとフィリピン、マレーシアの3カ国で上映が禁止されたのです。

 「アボミナブル」は、米ハリウッドの大手ユニバーサル・ピクチャーズの子会社「ドリームワークス」と、中国のアニメ製作会社「パール・スタジオ」が共同制作しました。

 ヒマラヤの雪男イエティと中国人の少女との温かい交流を描く物語で、南シナ海の領有権といったキナ臭い問題とは無縁の、ほのぼのファンタジーです。しかし、映画の最初の方で主人公の少女イーが、自宅の屋上にある隠れ家で中国の地図を広げるのですが、そこには中国の南海岸から南シナ海のほぼすべてを取り囲むU字型の点線「九段線」が書かれていたのです…。

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 そのため、既に10月4日から上映が始まっていたベトナムでは複数の観客から苦情が寄せられるなどしたため、13日に上映が中止に。フィリピンも同じ理由でテオドロ・ロクシン外相がツイッターでドリームワークスの全作品のボイコットを呼びかけるなどしたため、18日に上映禁止に。マレーシアでも11月7日に公開する予定でしたが、マレーシアの検閲委員会が上映の条件として、この場面の削除をドリームワークスの親会社のユニバーサル側に求めましたが、拒否されたため、公開中止となりました。

 この海域では、中国だけでなく、マレーシアやベトナム、フィリピン、ブルネイが長年、領有権を主張しており、中国が主張する「九段線」を他の国々は一切、認めていません。

 実際、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は2016年、中国が主張する「九段線」に国際法上の根拠がないとの判断を示しています。

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