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【一聞百見】噂の京都さんかく…「御所南スイーツ」を世界へ “努力する天才”ショコラティエ、垣本晃宏さん(49)

独創的なスイーツで「御所南ブランド」を世界に発信する垣本晃宏さん =京都市中京区(永田直也撮影)
独創的なスイーツで「御所南ブランド」を世界に発信する垣本晃宏さん =京都市中京区(永田直也撮影)
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■遅咲き 全ての経験を糧に

 34歳で製菓のコンテストで成果を出すという目標を見つけた垣本さん。師匠にも付かず、講習会を受けながら試行錯誤を続ける日々が4年ほど続いたが、一向に成果は出なかった。「これでダメだったら、もうパティシエになるのは諦めよう」と、挑んだチョコのオブジェ作りの技術などを競う国内の大会で約100人の参加者中、3位を獲得。以来、さまざまな技術を会得して世界大会でも着実に結果を出す。

 2年に1回、仏リヨンで開かれる「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」では、2011(平成23)年になんと氷彫刻の部門で個人優勝。翌年には仏パリで開催される世界最高峰のチョコレート創作コンクール「ワールド チョコレート マスターズ」の日本予選で優勝。世界大会で2013(平成25)年と18(平成30)年に総合4位となった。ただの天才は“努力する天才”としてついに結果を出したのだった。

 そんな垣本さんのポリシーは「他人と同じことはしない」ということだ。「クリスマスにもバレンタインデーにも特別なことはしません。百貨店の催事にも出店しません」。何より、口に入れたときの味わいが違う。「パティシエ」「ショコラティエ」「キュイジニエ(料理人)」という3つの顔を持つ垣本さん。その“とがった”才能が生み出す独創的な発想は他の追随を許さない。

 例えばチョコに、ミョウガとグレープフルーツや、セロリとパイナップルといった常人が思いつかない食材を組み合わせる。口溶けのやさしさにもこだわり抜く。ケーキも同様で、モンブランにレモンの香りを付けたり、コーヒーとアズキとワインといった誰もしない組み合わせで驚かせる。「口に入れて、3つの味が順番に出てくるだけでなく、3つが微妙に混ざりながら5つの味を主張するような味わいが楽しめるのが特徴ですね」。そもそも店名の「アッサンブラージュ」とはフランス語で「組み合わせる」「寄せ集める」といった意味。垣本さんのスイーツに懸ける思いを具現化している。

注目を集めるスイーツ「京都さんかくショコラサンド」
注目を集めるスイーツ「京都さんかくショコラサンド」
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 「40歳から成功を収めた遅咲き」を自称する垣本さんだが、最近は長い遠回りが無駄ではなかったと痛感している。「全ての経験が今に生きています。おかげで、ケーキもパンもフランス料理も本格的に1人でこなせます。日本では僕だけです」と笑う。実際、店のディナーコースは垣本さんが本格フレンチに腕を振るう。

 開業した平成28年、御所南はまだ観光客が積極的に訪れる場所ではなかったが、いまやグルメ雑誌が特集を組む人気ぶりだ。それに着目し、垣本さんが芦屋の洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」( http://www.henri-charpentier.com )とタッグを組んで生み出した“御所南スイーツ”第1弾が「京都さんかくショコラサンド」だ。京都銘菓をイメージした三角形で、チョコクリームをチョコのパイで挟み、上品な甘さにほんのり香るシナモンのアクセントが絶妙だ。10月6日からジェイアール京都伊勢丹( https://www.isetan.mistore.jp/kyoto/shops/floorB1.html )で販売が始まった。

 店近くに開いたサロン「京都御所南チョコレート研究所」で、さらなるスイーツを開発する。「スイーツの力で“御所南”の名前が世界に広まれば面白い」。新たな目標に向けて日々、邁進(まいしん)している。

     ◇

 【プロフィル】垣本晃宏(かきもと・あきひろ) 昭和45年、京都府宇治市生まれ。平成28年、京都市中京区の“御所南エリア”にパティスリー(洋菓子店)「アッサンブラージュ・カキモト」( http://assemblages.jp )を開業。

「ちょっと行ってみよか、みたいなノリ」だったと西表島への移住を振り返る垣本さん =京都市中京区(永田直也撮影)
「ちょっと行ってみよか、みたいなノリ」だったと西表島への移住を振り返る垣本さん =京都市中京区(永田直也撮影)
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