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【熊木徹夫の人生相談】怒る義母 尽くしてもなぜ? 

相談

 結婚27年。同居の義母の感情に振り回されて生きてきました。私が直接の原因ではないことで怒られては、主人の母だからと水に流して、普通の生活に戻る。その繰り返しです。

 たとえば、同窓会に出かけ疲れたという義母に、私は「ゆっくり休んで」と声をかけ、食事も用意しましたが、義母は数時間後に「こんなに体調が悪いのに、心配しないとはどういうことだ」と激高しました。同窓会へは送り迎えもし、私は前日、会社を休んで病院にも連れていきました。どうして私がそんな風に言われてしまうのか、義母の怒りはどこから来るのか。突然罵声を浴びせてくる義母との暮らしはこの先も続きます。私は自分の感情をどう整理すればいいのでしょうか。(50代、女性)

回答

 これまでずっと義母にかしずき、忠誠を尽くしてきたあなたが、なぜこれほどまで悪(あ)しざまに言われなければならないのか。その理不尽さに悶(もだ)え苦しむのはごもっともです。しかし実際にはむしろ、生活のあらゆる場面でこのような理不尽な状況が罷(まか)り通ることのほうが数多い。それはなぜか。考えてみましょう。

 あなたは「義母の怒りはどこから来るのか」と言いますが、その疑問の背景には、“誰の怒りにも必ず何がしかの真っ当な理由が根ざすはず”との信念があるようです。しかし実は、義母の怒りの大部分に理由などない。ただ、誰かに当たり散らしたいから怒るのであって、彼女が難じるあなたの言動は、単なる怒るための口実に過ぎない。そこには「悪性の甘え」が存在します。これに気づかずその甘えを許容していると、果てしなくなり、やがて収拾がつかなくなる。あなたは「私は自分の感情をどう整理すればいいか」などと物分かりの良い姿勢を崩しませんが、これでは何も解決しません。

 このような「悪の連鎖」を断ち切るためには、多少荒療治が必要です。すなわち、ストライキを起こして家出をする。義母は当然怒り狂うでしょうが、やがて怒りの矛先はあなたの夫に向かいます。でも、夫が困るのは仕方がない。あなたに際限なき忍従を強いた責任の一端は、このような嫁姑の関係を放置した夫にもあるからです。夫は、自分の母の世話を負う必要が生じて初めて、彼女の今後の処遇を真剣に考えるようになるでしょう。そうなれば、あなたのこれまでの苦労を慮(おもんぱか)ってくれるかもしれない。そして最終的に、義母のことを夫とあなたの「二人の問題」にすることができるか。すべては、そこにかかってきます。

回答者

熊木徹夫 精神科医。昭和44年生まれ。「あいち熊木クリニック」院長。著書に「自己愛危機サバイバル」「ギャンブル依存症サバイバル」(ともに中外医学社)、「精神科医になる~患者を〈わかる〉ということ~」(中公新書)など。

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 〈メール〉life@sankei.co.jp

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