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【志らくに読ませたい らく兵の浮世日記】「ジョーカー」とかけて「らくだ」と解く その心は…

 16年にはジャレッド・レトが『スーサイド・スクワッド』のなかでジョーカーを演じた。ずいぶん役作りに励んだものの、本編ではたくさんのシーンがカットされたらしい。登場人物の多い作品だから仕方ないのかもしれない。

 他にはドラマシリーズやCGアニメもあるようで、いろんな役者のいろんなジョーカーが演じられてきたようだ。それを見てきた人たちが思わず納得するほどの、不幸な男の不幸な生い立ちが、今回の映画『ジョーカー』では描かれていた。

 落語の方で悪役の代表といえば「らくだ」。名前がそのまんま演目にもなっている。家元の立川談志が十八番にしていた落語で、師匠の立川志らくも思い入れをもって演じている。

 ある長屋で一人の男が死んだ。あだ名が「らくだ」。らくだに似ているくらいだから、ずうたいは大きくて乱暴者。そのらくだを弔おうとする兄貴分が輪をかけた悪党。この男が通りかかった屑屋の久さんを脅しつけて騒動が大きくなっていく。らくだや兄貴分の乱暴っぷりと、おとなしい屑屋の酒乱ぶりが一つの見どころ。落語のなかでも数少ないバイオレンス作品だ。

 数々の名人が演じてきた「らくだ」。家元談志はこの落語の中に切ないシーンを入れた。雨の中で屑屋がらくだと会う。機嫌をとろうと卑屈になる屑屋。そのおでこを、らくだがコツンと軽く小突いて行ってしまう。いつもは容赦なく思いっきり殴るはずが、屑屋に同情したのか、何かしらの深い思いがあったのか、いつになく優しいらくだが雨の中をぬれていく。

 ハリウッドを代表する悪役のジョーカー。その悲しい生い立ちの映画を見ながら、落語界の乱暴者、らくだとどこか重なった。

 うむ。R15指定で「らくだ」の生い立ちが語られる日も近い。

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