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バレエで“和”の世界観を体現 熊川哲也の「マダム・バタフライ」

 第2幕は、マダム・バタフライの内面を映し出すような演劇的な演出になっていた。ファーストキャストに抜擢(ばってき)されたプリンシパルの矢内千夏は、熊川から「天才的なセンスと、バレエの申し子のようにバレエの世界に入れる」と絶大なる信頼を得ている。熊川の期待に応えるべく矢内は、可憐(かれん)な少女から1人の男性を一筋に愛し、苦悩する女性の心情を丁寧に表現しながら、美しい踊りに昇華させていた。

 マダム・バタフライに寄り添うスズキ役の荒井祐子が随所で見せる存在感は、さすがという感じだった。ベテラン・プリンシパルの登場で、舞台が一気に重厚感を増す。平成15年にカンパニーに入団して以来、熊川と共演することも多く、その実力は折り紙付き。

 熊川自身は本作品ではバレエダンサーとして舞台には立っていないが、脚本から振り付け、演出を手がけている。熊川は世界的バレエダンサーというだけでなく、脚本家であり、秀でた演出家であり、優れたコリオグラファー(振付師)であるということを改めて証明した形だ。

 10~14日、東京・上野の東京文化会館で上演。

(文化部編集委員 水沼啓子)

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