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【中国観察】トランプ政権の中国「為替操作国」指定は通貨戦争の号砲か 

中国の通貨人民元(手前)と米ドル紙幣。人民元相場は米中対立を背景に先行きが見通しにくくなっている(ロイター)
中国の通貨人民元(手前)と米ドル紙幣。人民元相場は米中対立を背景に先行きが見通しにくくなっている(ロイター)

 トランプ米政権が中国を「為替操作国」に認定してから1カ月超が経過した。人民元相場は節目と見なされていた「1ドル=7元」を超えたままの元安水準が継続。元安は、米中貿易戦争で低迷する米向け輸出をカバーする効果が見込まれる一方で、中国から海外へのキャピタルフライト(資本流出)が一気に進むことへの警戒感も指摘される。為替操作国認定の評価、そして人民元相場の現状や先行きについて専門家の見方を基に読み解く。(外信部 三塚聖平)

「元安を新たな報復カードに」

 米政権は8月5日、中国を為替操作国に指定したと発表した。為替操作国の指定はクリントン政権下の1994年以来で、ムニューシン米財務長官は声明で「この数日で中国は自国通貨を安く誘導する具体的な措置を実施した」と指弾した。

 ムニューシン氏は、中国の意図が「貿易で不公正に競争優位を獲得するための通貨安誘導」にあると指摘。市場関係者の間でも、米中貿易摩擦が激化する中で中国当局が輸出に有利となる元安を容認しているとの見方が広がった。

 ある中国人研究者は「貿易戦争で制裁の応酬が続く中、中国側には『報復カード』が無くなってきているため、元安を新たなカードにした。ある試算では、元安効果により、米国の制裁措置による悪影響を中国側はほぼ相殺できている」との見方を示す。

「火遊びをできる国ではない」

 それに対し、日本総合研究所主任研究員の関辰一氏は「トランプ政権による中国の為替操作国認定に関する主張には、実際に起きていることとのズレを感じる」と指摘する。

 「トランプ政権の主張は『元安誘導のために、中国政府が為替市場で介入している』というものだが、実際に中国政府がやっているのは、過度な元安を回避するための元買いドル売りの介入だ。特にここ数年についてはその傾向が強く『元安誘導』という主張にはピンとこない」(関氏)

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