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【関西の坂】(2)藤白坂 悲劇の皇子眠る 熊野詣の難所

 紀伊半島の熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)を参詣する熊野詣。歴史は平安時代にまでさかのぼり、かつては「蟻の熊野詣」と蟻の行列にたとえられるほど盛況を極めた。その参詣道の一部、紀伊路の最初の難所といわれるのが、和歌山県海南市の「藤白坂(ふじしろざか)」。急斜面の続く“聖域”の坂に足を踏み入れた。(井上裕貴)

藤白坂の位置と主な見所
藤白坂の位置と主な見所
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聖域の入り口

 JR海南駅(海南市)から閑静な住宅街を歩くこと約20分。熊野詣の信仰の道をつなぐために設けられた神社群「熊野九十九王子」の一つ、祓戸(はらえど)王子と熊野一の鳥居跡に着いた。

 かつては、ここで身を清めて鳥居をくぐり、参詣道に入ったとされる。昔の参詣者に思いをはせて進むと、藤白神社のある「藤白王子」が見えた。ここを起点に山上の「藤代塔下(ふじしろとうげ)王子」まで続く約2キロの坂道が藤白坂だ。

 藤白神社の権禰宜、中井万里子さん(59)によると、熊野古道は黄泉の国・熊野に参り帰ることで「蘇る(よみがえる)」という熊野信仰に基づいた「擬死再生」の道。藤白坂は、都から熊野を目指す参詣者が通る最初の難所で、熊野聖域の入り口と位置づけられてきた。

 藤白神社の先には、飛鳥時代、孝徳天皇の皇子として生まれながら政争に巻き込まれ、藤白坂で処刑されたという有間皇子(ありまのみこ)の墓がある。

息も上がる険しさ

 ここから上り坂の本番。草木が鬱蒼と生い茂る聖域にふさわしい、険しい山道にさしかかる。息も上がる中、参詣者の目印として1丁(約109メートル)ごとに安置された丁石地蔵を数えながら、懸命に頂上を目指す。

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