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日本のムスリム墓地不足顕在化 土葬や異文化への不安視も

 また、墓地建設予定地の近くに住む60代の女性は、当時のことをこう振り返る。

 「中東でテロなども起きていて、イスラム教に怖いイメージがあった。土葬が習慣だということは分かるが、こんな静かなところに墓地を造られて、後で拡大されても嫌だと思った」

 その後、墓地の建設計画が再燃することはなく、反対運動も過去の話として薄れつつある。建設が予定されていた山の麓に掲げられていた多数の建設反対をうたう看板は、今はほとんど撤去されていた。

安らかに眠らせたい

 土葬が禁止されていない自治体でも、土葬は火葬よりも場所をとるため、墓地側が禁じているケースもある。そのため、ムスリムが亡くなると、専用の墓地に埋葬されている。

 日本イスラーム文化センターによると、現在国内にあるムスリム向けの墓地は7カ所。区画にはまだ余裕があるというが、中国地方以西には存在しないなど、地域に偏りがある。

 また、数が少ないために遺体を離れた場所にある墓地へ運ばなければならないことが多く、遺体が傷むリスクや高額な運搬費などが常につきまとう。

 「本当は全国各地に墓地を造り、亡くなった人を安らかに眠らせてあげたい。しかし、土葬や異文化への不安があるのか、地域住民の同意がなかなか得られない」とセンターは訴える。

 日本におけるムスリムの人口は増加傾向にあり、今後墓地不足がより深刻化する可能性がある。何よりも墓地不足の背景には、異文化共生の難しさが表れている。

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