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小さな文学賞はカフェバーから生まれた

カフェバー「半空」の店内では過去の文学賞の応募作品を読むことができる=8月、高松市
カフェバー「半空」の店内では過去の文学賞の応募作品を読むことができる=8月、高松市
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 カフェバーから生まれた小さな文学賞が広がりを見せている。高松市の「半空(なかぞら)」が、文学の裾野を広げようと4年前から始めた「半空文学賞」。「小説家ではない人が選ぶ文学賞があってもいいのでは」という思いがきっかけだ。コーヒーや音楽といった身近なテーマで始まった文学賞は5回目の今回、初めて自治体と協力し、作品を募集している。

客の一票で

 高松市中心部にあるビルの2階。大きな木の扉を開くと、ほのかな明かりに照らされた空間が広がる。壁の本棚とカウンターに並んでいるのは、さまざまなジャンルの本。店主の岡田陽介さん(38)が営むカフェバー「半空」だ。本は飾りではなく、手に取って読むことができる。

 「肩書を下ろし、人間的な付き合いができる場所」(岡田さん)を目指し、本、音楽、コーヒーと好きなものだけを集めて平成14(2002)年にオープン。高校生から高齢者まで幅広い年代の人が訪れる場所になった。

 半空には、もう一つの顔がある。岡田さんやボランティアの実行委員による半空文学賞を続けてきた。

 有名な文学賞の選考委員には、そうそうたる作家が名を連ねる。だが、作品を読む人のほとんどは、プロではなく市井の人。「小説家ではない人が選ぶ文学賞があってもいいのでは、という思いがきっかけ」と岡田さんは振り返る。

カフェバー「半空」の店内。ここから文学賞が生まれた=8月、高松市
カフェバー「半空」の店内。ここから文学賞が生まれた=8月、高松市
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 文学賞は平成27年の「珈琲(コーヒー)」をテーマにスタート。当初は店に投票箱を置き、客の一票で文学賞を決めていた。

 これまでに「音楽」「ことでん」「家族」をテーマに作品を募集。3回目の「ことでん」は高松琴平電気鉄道(高松市)と協力し、「ことでんストーリープロジェクト」として企画した。親しみを込めて「ことでん」と呼ばれる車両を通勤や通学、日常生活で利用し、思い入れを持つ人は少なくない。県内外から計210作品が寄せられ、岡田さんや実行委員、同社の真鍋康正社長が審査。「電車の中で読むと、ぐっとくる」という11作品を収めた冊子を作った。同社の駅で無料で配布している。

カフェバー「半空」の店主の岡田陽介さん=8月、高松市
カフェバー「半空」の店主の岡田陽介さん=8月、高松市
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 また、過去の応募作品はファイルにまとめられ、店内で読むこともできる。

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