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【高論卓説】日韓友好・連携は両国国民の利益 現実的対応、戦略を内外に示せ 井上洋

「あいちトリエンナーレ2019」で展示が中止された「平和の少女像」=名古屋市
「あいちトリエンナーレ2019」で展示が中止された「平和の少女像」=名古屋市

 私は昭和39年、在日の人たちが多く住む横浜市鶴見区にある公立小学校に入学した。日韓国交正常化がなった40年は2年生、その意味を理解するには幼すぎた。しかし、それにより在日の人たちの地位保全がなされ、地域の大人たちも日本の子供と在日の子供が同じ学校で学び遊ぶことを容認していった時代だ。そのことは肌で感じとっていたし、実際、私の遊び友達には在日の同級生が多かった。

 大正12年9月1日、南関東を襲った関東大震災では、朝鮮人に対する悪意ある流言が広まった。鶴見には、それに追われて逃げてきた人たちを守った大川常吉という警察署長がいた。そのことは鶴見区の小学校に通う子供ならば、地域の歴史として必ず教わった。私はそれを誇りに感じ、在日の人たちと穏やかな関係を築いてきたと自負している。韓国の文在寅大統領はじめ要人の反日的な言動は、国交正常化を実現させた当時の両国関係者の努力と決断、日本の戦後世代の心を踏みにじるものだ。

 南北統一により、日本を打ち破る経済力をつけるという文政権は、どのような時間軸でそれを実現しようとしているのだろうか。世界経済の減速、株式・為替の不安定化など経済状況変化への備えは十分か。韓国を狙うミサイルの発射実験を繰り返す北朝鮮とどう和解し、米国に頼ることなく自らの力で朝鮮戦争を終結させ、半島の非核化を図ることができるのだろうか。

 南北間の経済格差は歴然としている。ドイツの東西統一以上の困難が伴うだろう。アジアの国々の協力、それも官民挙げての協力なくしては、円滑な南北統一は達成できないが、韓国政府はそのシナリオを持ち合わせているのだろうか。

 「日韓請求権並びに経済協力協定」や「慰安婦問題日韓合意」が厳然として存在するにもかかわらず、それを振り出しに戻すことに躊躇(ちゅうちょ)しない韓国の政治家や活動家によって反日運動が何度も繰り返される中、日韓の心ある人たちがいくら民間交流を活発化させ産業協力を深化させても、反日の大きな声に韓国世論の振り子はいとも簡単に逆方向に振れてしまう。近年では、韓国側の状況を見て、日本人の反韓の振り子の振れ幅も大きくなっている。

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