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【一聞百見】令和の代替わり「教えないこと」を教わる 十六代樂吉左衞門さん(37)

 父と比べられることについてはどう思うのか。意外なほどあっさりとした答えが返ってきた。「父の背中はすごく大きいのですが、祖父、曽祖父と、父の他にも14人の大きな背を持つ歴代がいる。そのことの中心に樂焼の原点である初代長次郎がすべての軸として存在する。大きな存在は父だけではないということに気づきます」

土を3代先へつなぐ

 いま、京都市上京区の樂美術館で夏期展「楽焼って何だろう? 茶碗?肌?ぬくもり」(18日まで)が開かれている。手がけた樂さんはまずは、気軽に親しんでほしいという。「茶の湯のお茶碗の美術館というとつい、構えてしまわれるようで…。『樂美術館って入ってもいいんですか』とおっしゃる方もいて、もちろん美術館なのでどうぞって」と苦笑する。

 そんな間口を広げようと「樂茶碗の魅力を一部切り取ってみた」(樂さん)のが今展。テーマは「肌触り」だ。「ゴツゴツ。ザラザラ。ツルツル」。チラシには色も形も異なる3つの茶碗とともにそんな言葉が躍る。

 「お茶会でも、古いお茶碗になればなるほど、使わずに飾られているんです。仕方がない部分もあるんですが、やはり使ってほしい。そのために生まれたお茶碗ですから。お茶を飲んで初めて『あ、熱さが直接手に伝わらない』とか『このやわらかさがいい』とか。感じとっていただけると思う」。そして、そこにこそ、千利休が初代長次郎に求めて生まれて以来、愛されてきた樂焼の魅力があった。「樂茶碗は、ろくろを使わず手捏(てづく)ねという技法で造ります。両手の自然な姿に添い、てのひらそのものを土が写し取ったような。肌も硬く焼き締めずに土のやわらかさを残すんです」

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