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【一聞百見】令和の代替わり「教えないこと」を教わる 十六代樂吉左衞門さん(37)

 おもしろいのは、それを見た父、十五代直入(じきにゅう)さんがせっかくだからと写真を撮ったこと。大切な場所でおもらしをした息子を怒るどころか…。「窯場に何かを感じたと理解して『あ、良かった』と思ったらしいのです」と苦笑する。私見だが、伝統を継ぐ立場の息子が、その重みを敏感に感じ取ったことがうれしかったのではないか。

 そんな樂さんだが、反発した時期もあった。「両親は(継げとは)一切、言いません。でも周りに言われて気づきますよね。敷かれたレールの上を行くことに反発し、覚悟を決めるまでに時間がかかりました」。実は父の直入さんも強く反抗した時期があった。

 「父は大学在学中イタリアに留学し、なかなか帰ってこなかった。祖父が樂家に訪れた方から『ご子息は』と心配されたのですが『大丈夫や』と。『小さいころから窯を見ていてあいつの中にはその熱い血が流れているから』と話したそうです」。それは自身も同じ。反発しながらも、窯は幼いころからずっと好きだった。樂家に生まれ育つと、窯や茶碗造りの魅力から離れることはできないらしい。

 愚問だが、あえて歴代のうちだれにひかれるか聞いてみた。「初代長次郎(千利休の求めに応じて樂焼を創始)は別格です。本阿弥光悦(芸術家で樂家の支援者)の影響も受けたモダンな三代道入(どうにゅう)、あと、どうしても目の前の父は意識してしまいますね。(特殊な焼貫(やきぬき)という技法で造られた)焼貫茶碗はやはりかっこいい」。

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