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【経済インサイド】アサヒグループHD、電光石火の豪ビール事業1兆円超買収劇

オーストラリアのビール事業買収について説明するアサヒグループホールディングスの小路明善社長(左)
オーストラリアのビール事業買収について説明するアサヒグループホールディングスの小路明善社長(左)

 国内ビール最大手、アサヒグループホールディングス(HD)が7月19日、世界最大手、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)からオーストラリアのビール事業を買収する契約を結んだ。取得額は1兆2000億円超。アサヒグループHDにとって過去最大の買収劇は、小路明善社長が自ら乗り出し、約1週間で交渉をまとめあげた。国内ビール市場が縮小する中、「世界的な『プレミアムビールメーカー』を目指すために欠かせない」というのが理由だ。

 「2009年から豪州に進出して10年が経過する。豪州ビール事業の可能性を見る中で、豪州シェア1位の今回の買収企業について、これまでもさまざまな検討を行ってきていた」

 8月1日に行われたインベブ豪州ビール事業の取得に関する説明会で、巨額を投じることとなる企業買収について小路氏は普段同様に淡々と話し続けた。

 明かされたインベブとの交渉の舞台裏は、まさに電光石火だ。「今年の早い時期」にインベブのカルロス・ブリトCEO(最高経営責任者)とビール事業の世界戦略について対話した際、「豪州事業に強い関心がある」と伝達。その後、インベブが7月3日にアジア子会社を香港株式市場で上場し、1兆6000億円を調達する方針を発表したものの、日本時間13日午前3時に上場を取りやめると発表した。

 その後、水面下では、アサヒとインベブの間で豪州ビール事業についての具体的な交渉が始まっていた。

 小路氏は「ハードな交渉だった」と振りかえるが、16年、17年と西欧や中・東欧事業などの総額約1兆2000億円の交渉を通じて、「重視するポイントや考え方はある程度理解していた」ことが、早期の売買契約へと結びついたという。

 豪州のビール市場は、高価格帯の「プレミアム」、中価格帯の「メインストリーム」、低価格帯の「ディスカウント」と3価格帯に分けられる。インベブが手放す「カールトン&ユナイテッドブリュワリーズ」(CUB)の18年売上高(約1734億円)構成比は中価格帯が5割超、高価格帯は4割弱を占める。豪州ビール市場シェア(数量ベース、18年)でみれば、CUBは中価格帯市場の72%、高価格帯市場の36%、低価格帯市場の3分の1を握り、トップ企業として君臨する。

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