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【通崎好みつれづれ】「セノオ楽譜」の時代

 今年は、セノオ楽譜の代表的作品「宵待草」の発刊100年。この曲は、初版から少なくとも第3版まで、タイトルが「待宵草(まつよいぐさ)」だった。後に「宵待草」となる。これは私も知っていたのだが、この展覧会でもう一つの秘話があることを知った。先の楽譜の表紙画は夢二らしい和服女性だが、ワンピース姿の女性がたたずむ別の版がある。大正12年の関東大震災翌年、復興への願いを込めて刊行されたものだ。今度この曲を演奏する時は、これまでとは違った思いが巡るだろう。

 ともあれ、20~30銭という手頃な価格で、市井の人々が手に取り楽しんだ一つの文化。「当時の音源が聴けるコーナー」も併せて味わいたい。(通崎睦美 木琴奏者)

 民音音楽博物館西日本館は土日祝日のみ開館。「セノオ楽譜~竹久夢二とその時代の音楽」展は12月15日まで。

 つうざき・むつみ 昭和42年、京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。マリンバとさまざまな楽器、オーケストラとの共演など多様な形態で演奏活動を行う一方、米国でも活躍した木琴奏者、平岡養一との縁をきっかけに木琴の復権に力を注いでいる。執筆活動も手掛け、『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)と第24回吉田秀和賞をダブル受賞。アンティーク着物コレクターとしても知られる。

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