PR

ニュース プレミアム

【中東見聞録】「歓迎されざる客」となった難民 シリア政策誤算でトルコの重荷に

 このほかにも都市部では、シリア料理レストランや衣料品店など、多くのシリア人がビジネスを広げ、同胞を雇い入れている。トルコ商務省の統計によれば、全土でシリア人が設立した企業は約1万5000社に達するという。

暴力事件も増加

 トルコは、シリア難民の最大の受け入れ国だ。

 中東のニュースサイト、アルモニターによると、人口約1500万人のイスタンブール都市圏でシリア人の割合は約3・7%。実に55万人超の難民が、11年にシリア内戦が発生して以降の短期間で流入・定着した。シリア人が集住する地区には、アラビア語の看板があふれている。

 もちろん才覚に優れた者ばかりではなく、商業的に成功しているシリア人は一握りだ。

 とはいえ、街の急速な変化に不安や反感を抱くトルコ人が増えるのも不思議はないだろう。しかも、トルコは近年、経済が低迷し、通貨安に伴う物価上昇や失業率の高止まりに苦しんでいる。

 そうしたフラストレーションを反映するように、トルコ人とシリア人の間での暴力事件は増加傾向にあった。そして不満は必然的に、内戦当初からシリア問題に介入し、難民の受け入れにも積極的だったエルドアン政権に対する批判にもつながる。

 今年春に行われた統一地方選で、エルドアン大統領の与党、公正発展党(AKP)は、アンカラやイスタンブールといった大都市の市長ポストを失った。特にイスタンブールは、かつてエルドアン氏が市長を務めたAKPの“牙城”と目されていただけに、敗退のインパクトは大きい。難民問題がエルドアン氏の求心力を低下させる要因の一つになったとの分析もある。

 エルドアン氏は選挙中、自身の難民政策に批判的な野党候補らを強く非難していた。だが、選挙後は一転してアラビア語の看板設置を制限する措置や、難民の住居登録地に関する規制を相次いで導入。国民の反シリア人感情が思いのほか強いことを見てとり、姿勢を修正した可能性がある。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ