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人形を移住…鳥取で進む大まじめな「人口補完計画」

たくさんの人形が並ぶ町役場=8月、鳥取県日野町
たくさんの人形が並ぶ町役場=8月、鳥取県日野町
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 「ひな人形に住んでもらえれば人口は倍になる」。住民のそんな発想をきっかけに、過疎化が進む鳥取県日野町で、飾られなくなった全国のひな人形を「移住」させる計画が進んでいる。これまでに移住した「ひな町民」は町人口(約3000人)を上回る約3200体。耳を疑う話だが、受け入れる町民たちはいたって真剣だ。その狙いとは。

増やすのは人でなくても

 「ひな町民の皆さんがここに定住している」。町内の食品店「ハイマートタッチ」で、店主の安達幸博さん(67)が店内を見渡しながら説明した。

 人形たちは窓側で、そば打ちをしたり、水やりや窓ふきなどの働く姿で飾られていた。

 飾るのは妻、美知子さん(67)で、はたきなどの小道具は95歳になる母親が手作りしたという。美知子さんは「見た人にクスッと笑ってもらえるのがうれしい」と目を細める。

 取り組みは、安達さんが家庭に眠るひな人形を集めて展示する名古屋市のプロジェクトをテレビで知ったのがきっかけだった。会合で町民に紹介すると「増やすのは人間でなくてもよいのではないか」と賛同の声が集まった。

 町商工会が中心になって昨年8月に実行委員会を結成。「人口補完計画」と銘打ち、人形の受け入れを開始した。

ひな人形にも住民票

 目標としたのは人口を上回る3千体以上。取り組みは話題を呼び、東京や埼玉、大分などからこれまでに約3200体が寄せられている。「娘のために祖母が買った大切なひな人形で捨てられない」「引っ越しで置く場所がなくなった」などと書かれた手紙とともに届くという。

 「移住」した人形は町中の店先や役場などで接客をしたり、転入手続きの順番待ちをしたりと、日常生活を送る姿で展示されている。

 人形には全国初の「おひな様住民票」を交付し、それぞれ番号で管理。町公認の住民票の居住地には町役場の所在地が書かれ、町長印が押されるなど本物さながらだ。

 さらに、故障した人形を治療する「ひな病院」を設け、元人形職人の町民を院長に迎えた。修理費を積み立てる「健康保険制度」の創設も検討しているという。

ひな人形でにぎわう町

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